2026/01/29

「前歯のすき間が気になる」「少しだけ歯並びを整えたい」そんなお悩みを解消するのが、前歯のマウスピース矯正です。
前歯だけのマウスピース矯正は、透明な矯正装置を用いるため目立ちにくいメリットがあります。全体矯正よりも治療期間が短く、コストが抑えられる点も大きな魅力です。
本記事では、前歯のマウスピース矯正の適応事例を詳しく解説します。平均的な治療期間や費用、デメリットもまとめているので、前歯のマウスピース矯正を検討中の方はぜひ参考にしてください。

結論から申し上げると、前歯だけをマウスピースで矯正することは可能です。前歯は中央の2本(中切歯)から3本目の犬歯を含む範囲を指し、上下左右合わせて計12本が対象になります。
前歯だけのマウスピース矯正は、前歯の小さな乱れを改善したい方におすすめです。ワイヤーを装着する大がかりな矯正ではないので、時間や費用、痛みの面でも患者様の負担が軽減されます。
なお、前歯だけの矯正であってもマウスピースで歯列全体を覆う必要があります。これは、動かす予定のない奥歯も含めて固定し、歯の移動を正確かつ安定的に行うことが目的です。

前歯だけのマウスピース矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。奥歯の噛み合わせや骨格のバランスに問題がなく、前歯の位置や角度を整えるだけで見た目や機能が改善できるケースが適応となります。
代表的な症例は次の3つです。
それぞれの事例を詳しく解説します。
歯と歯の間にすき間がある空隙歯列(いわゆるすきっ歯)は、前歯だけのマウスピース矯正で改善できる症例です。
すき間を均等に閉じながら、前歯全体の並びを整えることで自然なラインを作ります。奥歯の噛み合わせを大きく動かす必要がない場合は、短期間(数ヶ月〜半年ほど)での改善も可能です。
すきっ歯が治ると口元全体が引き締まって見える効果も期待できます。
軽度の歯並びの乱れであれば、前歯だけのマウスピース矯正で改善できることがあります。
ここでいう軽度とは、前歯が少し前に出ている上顎前突(出っ歯)・ねじれている・1〜2本だけ傾いているといった症状を指します。
ただし、歯の移動量が大きいケースや骨格の影響が強い場合は、部分矯正だけでは限界があり、全体矯正やワイヤー矯正の検討が必要です。
歯科矯正では、治療によって整えられた歯並びが少しずつ動いてしまう「後戻り」という現象が起こることがあります。
前歯がわずかに乱れる程度の後戻りであれば、前歯だけのマウスピース矯正でリカバリーできることが多いです。動かす範囲が限られているため、治療期間は数ヶ月〜1年以内と短く、費用も抑えられます。

前歯だけのマウスピース矯正には、装置の快適さや見た目、期間と費用など全体矯正にはないメリットがいくつもあります。
マウスピース矯正は一人ひとりの歯列に合わせて製作するため、装着した際のフィット感に優れています。
金属ワイヤーのように口内に当たって痛むことが少なく、食事中や会話をしていても快適に過ごせます。部分矯正は歯の移動量も小さいため、痛みや違和感を最小限に抑えながら理想の歯並びに近づけられる点が大きなメリットです。
マウスピースは取り外しができるため、歯磨きやフロスなどのケアがいつも通り行えるのが魅力です。ワイヤー矯正に比べてトラブルが少なく、矯正中も口腔環境を清潔に保てます。
マウスピースは水洗いと洗浄剤の漬け置きで簡単にケアできるうえ、定期的に交換するため汚れやニオイが蓄積しにくいこともうれしいポイントです。
透明のマウスピースは装着していても周囲に気づかれにくく、矯正中の見た目を気にする方に最適です。人気のインビザラインは約0.5mmと薄く、近距離でもほとんど目立ちません。
仕事柄、人前に立つ機会が多い方や周囲に矯正していることを知られたくない方にも選ばれています。
前歯だけのマウスピース矯正は、全体矯正に比べて歯の移動量や使用するマウスピースの枚数が少なく済みます。その分費用が抑えられる点もメリットです。
短期間で完了するケースは通院の回数も減り、時間的な負担も軽減できます。

前歯だけのマウスピース矯正には、治療の限界や使用上の注意点もあります。
ここからはデメリットとなりうる側面を詳しく解説します。
マウスピース矯正は1日20〜22時間の装着が必須です。これは部分矯正でも変わりません。
装着時間が不足すると歯が計画通りに動かず、治療期間が延びたりやり直しが必要になることがあります。外出中は一度外すとつけ忘れることもあるため、自己管理ができるかどうかが治療成功の鍵になります。
前歯だけを動かす部分矯正では、奥歯の噛み合わせを大きく調整することはしません。そのため、前歯の位置を変えた結果、奥歯の噛み合わせがわずかにずれてしまうことがあります。
噛み合わせが乱れると、食べ物が噛みにくくなったりあごに力が入りにくくなることがあります。このような問題を防ぐため、マウスピース矯正ではシミュレーション分析が必須です。
歯の状態次第では、患者様が前歯だけのマウスピース矯正を希望しても適応がないと判断されることがあります。
マウスピース矯正では、歯のスペースを確保するために歯のエナメル質をわずかに削る処置(ディスキング/IPR)が必要になることがあります。
削るのはごく少量で、歯の健康に大きな影響はないとされています。しかし、健康な歯を削ることに抵抗がある患者様がいるのも事実です。
IPRが必要かどうかは歯の重なり具合や移動量によって判断されるため、気になる場合は事前に相談しておくと安心です。

前歯だけのマウスピース矯正の費用相場は20万〜60万円ほどです。この中には、初回カウンセリング・精密検査・マウスピース作製費・治療後に使用する保定装置(リテーナー)などが含まれます。
歯科矯正は自費診療として扱われるため、費用は全額患者様の自己負担となります。クリニックによっては診断料や調整料が別途発生することもあるため、費用項目の内訳を事前に確認することが大切です。
見た目を整えることが目的のマウスピース矯正は、原則として医療費控除の対象外です。しかし、噛み合わせの改善が必要と診断されれば医療費控除の対象になるケースもあります。

前歯だけのマウスピース矯正の治療期間は3ヶ月〜1年半が目安です。歯並びの乱れが軽度で、歯の移動量が少なく済む場合は2〜6ヶ月ほどの短期間で完了するケースもあります。
マウスピース矯正は1日20〜22時間の装着が必要で、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる原因となります。食事や外出のタイミングで外したまま忘れてしまうことのないよう、患者様ご自身での管理が欠かせません。

前歯だけのマウスピース矯正は軽度の歯列の乱れに適した矯正方法です。透明で目立ちにくいので、周囲に気づかれにくいメリットがあります。
治療期間や費用も全体矯正に比べて抑えられるケースが多く、気になる部分だけ整えたい方にとって始めやすい選択肢です。
一方で、奥歯の噛み合わせや骨格的な問題がある場合は適応外になることがあり、噛み合わせ悪化のリスクもゼロではありません。前歯だけで治療できるかどうかは、精密検査やシミュレーションでの適切な診断が重要です。
山之内矯正歯科クリニックが目指すのは、見た目と機能性を兼ね備えた歯科矯正です。患者様のご希望に応える治療を提供しておりますので、「マウスピースで前歯だけ整えたい」「痛みの少ない矯正がしたい」という方は、当院までご相談ください。