インビザラインの種類と選び方は?矯正治療の適応や期間の違いを解説

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インビザラインの種類と選び方は?矯正治療の適応や期間の違いを解説

インビザラインの種類と選び方は?矯正治療の適応や期間の違いを解説

目立たず矯正できる方法として人気のインビザライン。実はその中にも複数の種類があり、症例の重さや年齢、目的によって選ぶべき種類が異なります。

たとえば、「軽度の歯並びを短期間で整えたい方」と「抜歯が必要な全体矯正を行う方」では、使用するインビザラインの種類がまったく違います。また、10代や小児など、成長段階に合わせた専用プランも用意されています。

この記事では、インビザラインの各種類とその違いを分かりやすく解説します。

インビザラインにはどんな種類がある?

インビザラインにはどんな種類がある?

以下は、インビザラインの主な種類と、それぞれの対象となる症例や患者層をまとめた表です。ご自身に合うプランの目安を確認する参考にしてください。

種類名対象となる方特徴
コンプリヘンシブ全体的な矯正が必要な方(抜歯症例も含む)・マウスピース枚数無制限・最も幅広い症例に対応
モデレート中等度の歯列不正に悩む方・最大26枚程度・治療期間は約6ヶ月〜1年
ライト軽度の歯並びの乱れが気になる方・最大14枚程度・6ヶ月以内の治療が目安
エクスプレス前歯の軽いズレを短期間で治したい方・マウスピースは少数・治療期間は数ヶ月以内
GO前歯中心の軽度矯正を希望する方・奥歯の移動には対応不可・簡易診断で可否判断されることも
ティーン中学生〜高校生で矯正を始めたい方・成長期に合わせた設計・装着管理機能付き
ファースト小学生など、成長期の早期矯正を希望する方・顎の成長を活かした治療・将来の歯並びに備える目的

なお、インビザラインは全て自由診療のため全額自己負担です。

インビザライン・コンプリヘンシブとは

インビザライン・コンプリヘンシブは、すべてのインビザラインプランの中で最も幅広い症例に対応できる基本プランです。以前は「フル」と呼ばれていましたが、現在は「コンプリヘンシブ(Comprehensive)」が正式名称として使われています。

【このプランが向いている方】

以下のような中等度〜重度の歯並びのお悩みをお持ちの方に適しています。

  • 歯並びのガタつきが強い(叢生)
  • 歯と歯の隙間が大きい(空隙歯列)
  • 抜歯を伴う矯正が必要な方
  • 噛み合わせを大きく変えたい方
  • 奥歯も含めた全体的な矯正を希望する方

【特徴】

  • マウスピース枚数の制限なし(必要に応じて追加作成=リファインメントが可能)
  • 奥歯を含めた全顎矯正に対応
  • 最長24ヶ月程度の長期治療にも対応
  • 後戻りの修正や治療後の仕上げ調整も柔軟に対応可能

【治療期間の目安】

約1年半〜3年

症例の難易度によっては、それ以上かかる場合もあります。

【費用の目安】

70〜100万円前後

他プランよりも高額になりますが、対応範囲が広く、追加費用が発生しにくい設計です。

診断の結果、他のプランでは収まりきらないと判断した場合には、最初からコンプリヘンシブを提案することがあります。確実な治療計画と仕上がりを重視する方には特におすすめです。

インビザライン・モデレートとは

インビザライン・モデレートは、コンプリヘンシブほど重度ではないものの、ある程度まとまった歯列矯正が必要な方に向けた中間プランです。

軽度では収まらず、かといって長期治療までは必要ない症例に適しています。枚数制限があるため、大きな歯の移動や複雑な治療には不向きです。

【このプランが向いている方】

  • 歯並びの乱れが中等度である
  • 前歯〜小臼歯を中心に治したい
  • 治療期間や費用はある程度抑えたい
  • コンプリヘンシブほどの対応範囲は必要ない

【特徴】

  • 使用可能なマウスピースは最大26枚まで
  • 比較的軽めの不正咬合(叢生・空隙など)に対応
  • 追加のマウスピース作成は制限あり

【治療期間の目安】

約6〜12ヶ月

【費用の目安】

50〜80万円前後

ライトでは治療が足りないが、コンプリヘンシブまでは必要ないという方には、モデレートが非常に有効です。治療期間や費用のバランスを重視したい方にとって、現実的なプランと言えるでしょう。

インビザライン・ライトとは

インビザライン・ライトは、比較的軽度な歯列不正に対して適用されるプランです。

治療範囲は限られますが、短期間・低コストでの矯正が可能で、特に「見た目を少し整えたい」という方に選ばれる傾向があります。

【このプランが向いている方】

  • 歯並びの乱れが軽度な方
  • 過去の矯正後の後戻りを修正したい方
  • 長期間の矯正治療は避けたい方
  • 費用と時間を抑えて改善したい方

【特徴】

  • 使用可能なマウスピースは最大14枚
  • 前歯を中心とした軽度な歯列不正に対応
  • 追加のマウスピース(リファインメント)は制限付きで可能
  • 症例によってはGOやモデレートとの比較検討が必要

【治療期間の目安】

約3〜6ヶ月

【費用の目安】

40〜70万円前後

比較的費用を抑えられる点が特徴ですが、症例によっては他プランに移行する可能性もあります。

前歯のズレが気になるけれど、大がかりな治療はしたくないという方に、ライトは適しています。簡単に見えても、正確な診断で適応かどうかを見極めることが重要です。

インビザライン・エクスプレスとは

インビザライン・エクスプレスは、インビザラインシリーズの中でも最も軽度な歯列不正に対応するプランです。

主に「前歯のわずかなズレ」や「矯正後の後戻り」のような、ごく限られた範囲の調整に適しています。

【このプランが向いている方】

  • 前歯のちょっとしたズレや傾きを整えたい方
  • 過去に矯正治療を受けて軽度の後戻りが生じている方
  • イベント前や写真撮影の前に短期間で印象を整えたい方
  • 長期的な治療や大きな歯の移動は不要な方

【特徴】

  • 使用可能なマウスピースは最大7枚
  • 治療範囲はごく一部(主に前歯部)
  • 治療内容によってはライトやGOへの切り替えが必要になる場合もある
  • 短期間・低コストだが、適応にはかなりの制限あり

【治療期間の目安】

約2〜3ヶ月

【費用の目安】

30〜50万円前後

もっとも費用が抑えられるプランですが、対象となる症例は非常に限定的です。

インビザラインGOとは

インビザラインGOは、インビザラインの中でも比較的新しいプランで、前歯を中心とした軽度な歯列矯正を目的としています。

主に見た目の印象改善を重視する方に選ばれる傾向があり、導入している歯科医院が限られる点も特徴です。

【このプランが向いている方】

  • 前歯の軽度なズレや傾きが気になる方
  • 奥歯は動かさず、見た目を整えたい方
  • 比較的短期間・低コストでの治療を希望する方

【特徴】

  • 治療対象は前歯から小臼歯まで(上下各5歯)
  • 奥歯の大きな移動や噛み合わせ改善には非対応
  • 一部の歯科医院のみで提供されている
  • 事前のスクリーニング検査で適応可否が判断される

【治療期間の目安】

約4〜6ヶ月

【費用の目安】

30〜60万円前後

GOは診断で適応と判断される必要があり、全ての患者様にご案内できるわけではありません。限られた範囲の矯正を希望する方にとっては、コスト・期間の両面でメリットが大きいプランです。

インビザライン・ティーンとは

インビザライン・ティーンは、中学生〜高校生の永久歯列完成期にある若年層を対象とした矯正プランです。

コンプリヘンシブと同等の治療範囲を持ちながら、成長期の特性に配慮した設計や機能が備わっています。

【このプランが向いている方】

  • 中学生〜高校生で本格的な矯正治療を始めたい方
  • 歯の生え変わりや顎の成長が進行中の方
  • 見た目に配慮しつつ、しっかりと歯並びを整えたい方

【特徴】

  • 使用マウスピース数に上限なし(コンプリヘンシブと同様)
  • 萌出(ほうしゅつ)途中の永久歯にも対応した設計
  • コンプライアンスインジケータ付き(装着時間を色で確認可能)
  • 予備のアライナー(紛失時用)をあらかじめ用意できる場合もある

【治療期間の目安】

約12〜24ヶ月

成長具合により、治療内容や期間が柔軟に調整されることもあります。

【費用の目安】

70〜100万円前後

コンプリヘンシブとほぼ同程度で設定されることが多いです。

成長段階の歯列矯正は、タイミングを逃さず適切に進めることが大切です。ティーンはその点で、永久歯への移行や顎の発達に合わせた治療が可能な優れたプランです。

インビザライン・ファーストとは

インビザライン・ファーストは、小児期(おおむね6〜10歳)に開始する第一期矯正治療(混合歯列期)を対象としたプランです。

永久歯が生えそろう前に、顎の成長を促し、将来的な歯並びを整える準備を行うことを目的としています。

【このプランが向いている方】

  • 小学生(6〜10歳程度)で永久歯への生え変わりが始まっている方
  • 顎が小さく、歯が並ぶスペースが足りないと診断されたお子さま
  • 将来の本格矯正をよりスムーズに行いたいと考えている方
  • 取り外せる矯正装置で、生活への負担を減らしたいと希望される保護者の方

【特徴】

  • 第一期治療(混合歯列期)に特化した設計
  • 顎の成長誘導、歯列拡大、永久歯萌出のスペース確保に対応
  • 装着は透明なマウスピース型で、見た目への影響が少ない
  • 治療後は、第二期治療(ティーン/コンプリヘンシブ)へ移行することもある

【治療期間の目安】

約6〜18ヶ月

【費用の目安】

40〜70万円前後

第二期治療を行う場合、別途費用が発生するのが一般的です。

ファーストは“矯正する”というより、“矯正の土台を整える”ための治療です。

将来的に抜歯を避けたい方や、歯並びが悪くなりそうな兆候がある場合は、早期にご相談いただくことをおすすめします。

インビザラインの種類別|費用・治療期間・適応症例を比較

インビザラインの種類別|費用・治療期間・適応症例を比較

インビザラインは種類によって、対応できる症例、治療期間、費用の目安が大きく異なります。

ここでは、患者様が気になる以下の3点を中心に比較してみましょう。

種類名費用の目安治療期間の目安主な適応症例
コンプリヘンシブ70〜100万円約1年半〜3年全顎矯正、抜歯症例、重度の不正咬合など
モデレート50〜80万円約6〜12ヶ月中等度の歯列不正
ライト40〜70万円約3〜6ヶ月軽度の叢生・後戻りなど
エクスプレス30〜50万円約2〜3ヶ月前歯のわずかなズレ、部分的な後戻り
GO30〜60万円約4〜6ヶ月前歯中心の軽度な歯列不正
ティーン70〜100万円約12〜24ヶ月成長期の永久歯列完成期、全顎対応
ファースト40〜70万円約6〜18ヶ月小児期の顎の発達補助、混合歯列期の調整

費用面では、対応範囲が広いほど高額になる傾向があります。期間も同様に、移動量や調整範囲が広いほど長くなる傾向にあります。

適応症例は重症度と年齢に大きく左右されるため、事前の検査・診断が不可欠です。

自分に合うインビザラインの種類を選ぶには?

自分に合うインビザラインの種類を選ぶには?

インビザラインには複数の種類がありますが、見た目や費用だけで選ぶと適切な治療効果が得られない可能性があります。

ここでは、ご自身に合ったプランを選ぶための視点を3つに分けてご紹介します。

1. 歯並びの状態(重症度)で選ぶ

矯正の目的や歯の動きの量によって、対応可能なプランは異なります。

歯並びの状態おすすめの種類
ごく軽度なズレや後戻りエクスプレス、GO
軽度〜中等度の歯列不正ライト、モデレート
抜歯を含む全体矯正コンプリヘンシブ
前歯だけ治したいGO、ライト(症例による)

2. 年齢・ライフステージで選ぶ

年齢や成長の段階に応じて、使用できるプランが限られます。

年齢層おすすめの種類
小児(6〜10歳)ファースト
中高生(永久歯列完成期)ティーン
成人コンプリヘンシブ、モデレート、ライト、GO、エクスプレス

3. 費用・期間に対する希望で選ぶ

予算や通院可能な期間を考慮することも、選択の一つの基準になります。

希望のケースおすすめの種類
短期間・低予算で済ませたい場合ライト、エクスプレス、GO
丁寧に仕上げたい/後戻りの心配を防ぎたい場合コンプリヘンシブ
子どもの将来を見据えた準備をしたい場合ファースト

最終的には専門的な診断が不可欠です

「このプランが良さそう」と思っても、実際には適応外であることも多くあります。

そのため、インビザラインの種類選びは、歯科医師による精密検査・診断のうえで決定することが最も重要です。

よくあるご質問

よくあるご質問

Q.インビザラインの種類は途中で変更できますか?

一部のプラン(ライトやモデレートなど)では、治療途中で目標達成が難しいと判断された場合に、上位プラン(例:コンプリヘンシブ)へ切り替えることがあります。

ただし、追加費用や再診断が必要となるため、最初の診断時点で適切な種類を選ぶことが非常に重要です。

Q.種類によって治療の仕上がりに差はありますか?

治療の自由度や対応できる症例範囲はプランによって異なるため、軽度のプランで無理に治療を進めると、仕上がりに妥協が生じることもあります。

ご希望はあるかもしれませんが、最適な治療プランで進めましょう。

Q.インビザラインをおすすめしない人は?

重度の骨格性の不正咬合がある方、歯の回転やズレが大きい方、マウスピースの装着時間を守れない方には不向きです。

このような場合は、ワイヤー矯正や外科的処置を含む他の方法が適しています。

まとめ

まとめ

インビザラインには複数の種類がありますが、選び方はシンプルです。

「自分の歯並びには何が必要か」を診断で明らかにし、その目的に合ったプランを選ぶこと。それが、費用も時間も後悔も最小限に抑える一番の近道です。

気になる方は、まずは医師の診断を受けてみてください。

プランの違いに悩むより、診断から始めることが何よりも確実です。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞