外科矯正で顔はどう変わる?手術後の見た目・横顔・印象の変化を徹底解説

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外科矯正で顔はどう変わる?手術後の見た目・横顔・印象の変化を徹底解説

外科矯正で顔はどう変わる?手術後の見た目・横顔・印象の変化を徹底解説

「外科矯正をすると本当に顔つきは変わるの?」

「横顔やフェイスラインがどう変化するのか具体的に知りたい」

このように疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

外科矯正は、歯列矯正だけでは改善が難しい顎の骨格のズレを整える治療で、その過程で顔立ちや横顔のバランスが自然に変化することがあります。

ただし、美容目的の整形とは異なり、あくまで咬み合わせなどの機能を正常にする中で起こる変化が中心です。

この記事では、外科矯正で顔が変わる仕組みや部位別の変化について、わかりやすく解説します。

外科矯正とは

外科矯正とは

外科矯正とは、顎の骨格にずれや変形があることで歯並びや咬み合わせに問題が生じている場合に行う治療法です。

通常の矯正治療では改善が難しい骨格的な問題を、外科手術によって顎の位置を整えることで根本から解決します

この治療は、見た目の改善だけを目的とするものではなく、咬み合わせや発音、呼吸機能などの機能面を回復させることも大きな特徴です。顎の位置や角度を調整することで、顔全体のバランスや輪郭を自然に整える効果も期待できます。

外科矯正は、矯正歯科と口腔外科が連携して行う高度な治療であり、機能性と審美性の両面からアプローチできる総合的な治療法です。

山之内矯正歯科クリニックでは、一般的な矯正はもちろん外科矯正治療にも対応しています。診断から術後管理まで一貫してサポートし、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画を立てています。

外科矯正で顔が変わる仕組み

外科矯正で顔が変わる仕組み

外科矯正では、顎の骨を適切な位置に移動させることで骨格全体のバランスが整い、顔全体の印象が変化することがあります。これは美容目的の整形ではなく、咬み合わせや呼吸機能を正常化する過程で生じる自然な顔貌の変化です。

下顎を後退・前進させたり、上顎を上下・前後に移動させることで、口元の突出感が軽減し、フェイスラインがすっきりと整います。顎の位置が正しい位置に戻ることで、横顔のEライン(理想的な横顔ライン)も自然に改善されるケースが多いです。

顔つきの変化の程度は症例によって異なりますが、手術前に3Dシミュレーションを行うことで、治療後の顔貌や輪郭のイメージを事前に確認できます。これにより、仕上がりへの不安を軽減し、納得したうえで治療に臨むことが可能です。

顔の各部位で起こる変化

顔の各部位で起こる変化

外科矯正では、顎の骨格を整えることで口元や横顔、フェイスラインなど、顔のさまざまな部位に自然で調和のとれた変化が現れます。

個人差はありますが、主な変化は以下のとおりです。

  • 口元・唇・Eライン
  • フェイスライン・エラ
  • 鼻・中顔面
  • 笑顔・表情

それぞれについて詳しく解説します。

口元・唇・Eライン

外科矯正によって顎の位置が正しく整うと、上下の唇の位置関係が自然になり、横顔のEライン(鼻先と顎先を結ぶ理想的なライン)が改善されます。とくに出っ歯や受け口の症例では、口元の突出感が軽減し、口を自然に閉じやすくなる効果があります。

また、顎や歯の位置が整うことで唇の張りや厚みのバランスも改善され、口元全体がやわらかく自然な印象になります。緊張していた口周りの筋肉がリラックスし、穏やかで落ち着いた表情をつくりやすくなる点も大きなメリットです。

Eラインが整うことで、横顔のバランスが美しく見えるだけでなく、咬み合わせや発音のしやすさといった機能面の改善にもつながります。

フェイスライン・エラ(下顎角)

外科矯正では、下顎の位置や角度を修正することでフェイスラインの輪郭がすっきりと整い、横顔や正面から見た印象が大きく変化します。顎の骨格そのものを調整するため、単なる見た目の変化ではなく、骨格バランスに基づいた自然なラインを実現できます

とくに下顎前突や顔の左右非対称の症例では、顎の張りやエラの角度が整い、下顔面がコンパクトでバランスの取れた形に近づきます。輪郭の左右差も改善されることで、顔全体の対称性が高まります。

また、顎関節のバランスが改善されることで、咀嚼筋(噛む筋肉)の緊張が緩み、硬さのないやわらかい印象の顔立ちになることがあります。フェイスラインの改善は見た目だけでなく、筋肉や関節の機能回復にもつながる重要な効果です。

鼻・中顔面

上顎を移動させる手術(Le FortⅠ型骨切り術など)を行うと、鼻や中顔面の見え方にも間接的な変化が生じます。上顎の位置を前後・上下に移動させることで、鼻先の角度や鼻の下の長さ、さらにはほうれい線の出方にもわずかな変化が見られることがあります。

これらの変化は大きなものではなく、あくまで自然な範囲で顔全体の立体感やバランスが整う傾向にあります。とくに上顎が後退していた方では、手術後に中顔面がふっくらと見え、若々しい印象を与えることもあります。

鼻や中顔面の変化は目立ちにくいものの、顔全体の調和を取るうえで非常に重要なポイントです。治療前にシミュレーションを行い、鼻や口元とのバランスを確認しておくことで、より満足度の高い仕上がりが期待できます。

笑顔・表情

外科矯正で咬み合わせや口元の位置が整うと、笑ったときの歯の見え方(スマイルライン)が自然に整い、口元のバランスが改善されます。歯列や唇の位置が正しくなることで、笑顔がより調和の取れた印象になります。

また、口角が上がりやすくなり、唇の動きも滑らかになるため、表情全体が柔らかく明るい印象へと変化します。以前よりも自然に笑えるようになり、表情に自信を持てるようになる方も多いです。

さらに、口輪筋などの表情筋のバランスが改善されることで、笑顔をつくる際の引きつり感や違和感が軽減されます。機能面と審美面の両方が整うことで、自然で豊かな表情を引き出せるようになります。

外科矯正で顔の変化を実感しやすい症例

外科矯正で顔の変化を実感しやすい症例

外科矯正は、骨格のズレを根本から整えるため、見た目の変化を実感しやすい症例があります。

顔の変化を実感しやすい主な症例は以下のとおりです。

  • 上顎前突(出っ歯)
  • 下顎前突(受け口)
  • 顔の左右非対称
  • 開咬(前歯が閉じない)
  • 複数の要因が重なる場合(複合症例)

それぞれについて詳しく解説します。

上顎前突(出っ歯)

上顎前突の外科矯正では、上顎の骨を後方へ移動させたり、下顎を前方に出すことで、前歯や口元の突出感を改善します。歯の位置だけでなく骨格全体を調整するため、顔の印象が大きく変わることがあります。

この手術によって横顔のEライン(鼻先と顎先を結ぶライン)が整い、口元が引き締まって見えるようになります。唇が自然に閉じやすくなり、表情も穏やかでバランスの取れた印象になります。

さらに、歯がしっかりと噛み合うようになることで、咀嚼機能の向上に加え、口呼吸の改善や発音のしやすさにもつながります。見た目と機能の両面で効果を実感しやすい症例です。

下顎前突(受け口)

下顎前突の外科矯正では、前方に出ている下顎の骨を後方へ移動させ、顎の位置と咬み合わせを正しく整えます。骨格のずれを根本から修正するため、見た目だけでなく機能面の改善にも効果的です。

下顎を適切な位置に戻すことで、口元の突出感が軽減し、横顔のラインが自然でバランスの取れた印象になります。顔全体の下半分が引き締まり、フェイスラインがより整った形になります。

また、咬み合わせが改善されることで、食事のしやすさや発音の明瞭さが向上します。術後は顎の長さや位置が整うため、輪郭がすっきりし、全体的に調和の取れた印象を実感しやすい症例です。

顔の左右非対称

顔の左右非対称は、下顎の骨が片側にずれている、または成長のバランスに差があることによって生じます。見た目のゆがみだけでなく、咬み合わせの偏りや顎関節への負担を引き起こすことも少なくありません。

外科矯正では、ずれている骨を正中(顔の中心)に合わせるように移動させ、左右のバランスを整えます。これにより、あご先の傾きや輪郭の歪みが改善され、正面から見たときの対称性を高めることが可能です

さらに、片側に偏っていた咬み合わせが正常化することで、顎関節や咀嚼筋への負担が軽減されます。機能面と審美面の両方で改善を実感でき、顔全体の印象がより自然で均整の取れたものになります。

開咬(前歯が閉じない)

開咬は、奥歯を咬み合わせても前歯の間にすき間ができ、唇を閉じにくくなる状態です。見た目の問題だけでなく、発音のしづらさや食べ物を前歯で噛み切りにくいといった機能的な支障を伴うこともあります。

外科矯正では、上顎または下顎の位置を上下方向に調整し、前歯がしっかりと噛み合うように骨格を修正します。これにより、咬み合わせが安定し、前歯での咀嚼機能が改善されるのです。

手術後は、口元が自然に閉じやすくなり、発音の明瞭さや食事のしやすさも向上します。見た目の改善だけでなく、呼吸や筋肉バランスの正常化にもつながる点が特徴です。

複数の要因が重なる場合(複合症例)

外科矯正では、受け口と左右非対称、出っ歯と開咬など、複数の骨格的不調和が同時に見られるケースも少なくありません。こうした複合症例では、上下の顎や顎先(オトガイ)の位置を総合的に調整し、全体のバランスを取ることが重要です。

治療計画はより精密で複雑になり、CT画像やセファロ分析、3Dシミュレーション、模型分析などを活用して、手術後の骨格位置を慎重に設計します。各部位の移動量や角度を細かく調整することで、自然で機能的な仕上がりを目指します。

複数の要因を同時に改善することで、咬み合わせだけでなく、呼吸機能や顔貌全体の調和まで総合的に整えることが可能です。審美性と機能性の両立を実現するために、高度な診断と医師の連携が欠かせない治療です。

ダウンタイムによる一時的な顔の変化

ダウンタイムによる一時的な顔の変化

外科矯正の手術後は、腫れやむくみなどによって一時的に顔の形が変化することがあります。これは手術による炎症反応の一部であり、多くの場合は時間の経過とともに自然に回復します。

個人差はありますが、とくに手術直後の1〜2週間は、頬や口元を中心に腫れが出やすく、顔がやや丸く見えることも多いです。腫れのピークを過ぎると徐々に引いていき、1ヶ月ほどで日常生活に支障のない程度まで回復するのが一般的です。

最終的な顔のラインや輪郭のバランスが落ち着くまでには、3〜6ヶ月ほどかかることもあります。回復をスムーズに進めるためには、術後の安静・冷却・睡眠姿勢など、医師の指示に沿ったケアを継続することが大切です。

どこまで変わる?歯列矯正と外科矯正の違い

どこまで変わる?歯列矯正と外科矯正の違い

歯列矯正は、歯そのものの位置を少しずつ動かして歯並びを整える治療であり、顎の骨格の形までは変えることができません。見た目の改善は歯の配列が中心で、主に軽度の歯並びや咬み合わせの不正に対応します。

一方、外科矯正は顎の骨の位置や大きさを外科手術によって調整し、顔の輪郭や咬み合わせを根本から改善する治療法です。顎の骨格そのものを動かすため、横顔のラインや顔全体のバランスが大きく変わることがあります。

そのため、外見上の変化や横顔の整い方には大きな違いがあります。軽度の歯列不正は矯正治療のみで改善できますが、骨格的なずれが原因の場合は外科矯正が適しています

まとめ

まとめ

外科矯正は、顎の骨格を正しい位置に整えることで咬み合わせや呼吸などの機能を改善する治療ですが、その過程で顔立ちや横顔のバランスが自然に変わることがあります。

口元の突出感が軽減したり、フェイスラインがシャープになったりと、骨格レベルで整うため見た目の変化を実感しやすい点が特徴です。

上顎や下顎の位置を動かすため、Eライン・唇の位置・左右対称性などにも影響し、より調和の取れた印象に近づくケースが多く見られます。

顔つきの変化は症例によって大きく異なるため、治療前にシミュレーションで仕上がりを確認し、専門医と相談しながら進めることが大切です。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞