インビザラインの外し方【保存版】変形・破損を防ぐ基本手順

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インビザラインの外し方【保存版】変形・破損を防ぐ基本手順

インビザラインの外し方【保存版】変形・破損を防ぐ基本手順

インビザライン治療を始めたばかりの方から、「マウスピースが思ったより固くて外れない」「間違った方法で壊してしまわないか不安」というお声をよくお聞きします。

マウスピース(アライナー)の正しい外し方を知らないと、変形や破損の原因となり、治療計画に影響が出る可能性があります。

この記事では、矯正歯科医の視点から、インビザラインのマウスピースを安全に取り外すための正しい手順とコツを詳しく解説します。

インビザラインのマウスピースを正しく外さないとどうなる?

インビザラインのマウスピースを正しく外さないとどうなる?

インビザラインのマウスピースは、「SmartTrack(スマートトラック)」という特殊な素材でできています。

この素材は弾力性としなやかさがあり、他のマウスピース矯正と比べて着脱しやすい特徴がありますが、間違った外し方を繰り返すと、変形・破損・アタッチメント脱離といったトラブルが発生し、治療計画に影響が出る可能性があります。

治療を成功させるためには、正しい外し方を身につけることが非常に重要です。ここでは、不適切な外し方によって起こりうる3つの主なトラブルについて解説します。

マウスピースが変形する

無理な力を加えたり、間違った方法で外したりすると、マウスピースが変形してしまうことがあります。特に、前歯から外そうとしたり、片側だけ外して半円を描くように引っ張ったりすると、変形しやすくなります。

マウスピースが2mm以上浮いている場合は、変形している可能性が高いため、すぐに担当医にご相談ください。

マウスピースが破損する

マウスピースは薄いプラスチック素材でできているため、一点に強い力が集中すると簡単に破損してしまいます。

破損のリスクが特に高いのは、一気に引っ張って外そうとした場合や、爪で強く引っ掻いた場合です。また、交換したばかりの新しいマウスピースは、まだ歯にしっかりとフィットしているため、慣れていない力加減で外そうとすると破損しやすくなります。

アタッチメントが取れる

アタッチメントとは、歯の表面に装着される小さな突起物のことで、マウスピースの効果を高めるために重要な役割を果たします。

表面側(外側)から無理に外そうとしたり、半円を描くように外したりすると、アタッチメントに過度な力がかかり、脱離してしまいます。

もしアタッチメントが取れてしまった場合は、速やかにクリニックに連絡してください。

インビザラインの正しい外し方【基本の3ステップ】

インビザラインの正しい外し方【基本の3ステップ】

マウスピースを安全に外すには、正しい順番と方法を守ることが最も重要です。

ここでは、ステップ方式で正しい外し方を説明します。

治療開始直後は慣れないため時間がかかるかもしれませんが、数日で慣れてスムーズに外せるようになります。焦らず、鏡を見ながらゆっくりと練習しましょう。

ステップ1:片側の奥歯から外す

まず、左右どちらか一方の奥歯から外します。歯の内側(舌側)に人差し指を入れ、マウスピースと歯の境目に爪を引っかけます。下顎の場合は真上に、上顎の場合は真下に向かって、ゆっくりと力を加えます。

マウスピースが浮いてくるのを確認したら、奥歯の上にマウスピースが乗るくらいまで浮かせましょう。ここまで浮かせると、次のステップが非常に楽になります。

爪が引っかかりにくい場合は、爪の角度を少し変えて試してみてください。

【治療開始直後の方への注意点

治療を始めたばかりの時期は、歯並びのガタつきが強く、マウスピースの形状が複雑なため外れにくいことがあります。これは正常なことですので、無理せず丁寧に外しましょう。治療が進んで歯並びが整ってくると、徐々に外しやすくなります。

鏡を見ながら行うと、マウスピースの位置が確認しやすく、正確に爪を引っかけることができます。慣れるまでは必ず鏡の前で行うことをおすすめします。

ステップ2:反対側の奥歯を外す

最初に外した側と同じ要領で、反対側の奥歯も外します。内側から爪を引っかけ、ゆっくりと浮かせて、両側の奥歯が浮いた状態になったことを確認してください。

片側の奥歯だけを外した状態で前歯を外そうとすると、前歯に強い力がかかってしまいます。前歯は奥歯に比べて薄く、欠けやすいため、必ず両側の奥歯を先に外すことが重要です。

この段階では、まだマウスピース全体は外れません。前歯部分でつながっている状態ですが、これが正しい状態です。焦らず、次のステップに進みましょう。

ステップ3:前歯部分を外す

両側の奥歯が外れたら、最後に前歯部分を外します。両手の親指と人差し指でマウスピースの前歯部分をつまみ、外側と内側から挟むようにして持ちます。

下顎の場合は上方向に、上顎の場合は下方向に、ゆっくりと引っ張ります。勢いをつけて一気に外すのではなく、優しく、徐々に力を加えていくことがポイントです。両手でバランスよく力を加えることで、マウスピースへの負担を最小限に抑えられます。

前歯だけでなく、犬歯付近も一緒につまむと、より安全に外すことができます。マウスピース全体が外れたら、正しく外せた証拠です。お疲れ様でした。

マウスピースを安全に外す4つのコツ

マウスピースを安全に外す4つのコツ

基本の3ステップをマスターしたら、次は「やってはいけないこと」を確認しましょう。以下の4つのポイントを守ることで、マウスピースの変形や破損を防ぐことができます。

1.必ず奥歯から外し、前歯から外さない

前歯から外したり、片側の奥歯→前歯→反対側の奥歯の順に外したりすると、マウスピースに不均等な力がかかり、破損や変形の原因となります。

必ず「左右の奥歯→前歯」の順番を守りましょう。

2.表面側(外側)から外さない

マウスピースを外す際は、必ず内側(舌側)から爪を引っかけて外してください。

外側から外そうとすると、マウスピースが破損しやすく、アタッチメントも取れやすくなります。また、歯茎や口腔粘膜を傷つける可能性もあります。

3.アタッチメント部分は舌側から慎重に外す

アタッチメント(歯の表面に装着された突起)がある歯の周辺は、特に慎重に扱いましょう。

アタッチメントは前歯・奥歯を問わず、必ず内側から外してください。外側から引っかけるとアタッチメントが取れやすくなります。凹凸に強く引っかかっている場合は、マウスピースを少し広げるようにして外すとスムーズです。

4.一気に外さず、ゆっくり段階的に外す

焦って一気に外そうとすると、必要以上に強い力がマウスピースにかかります。各ステップを焦らずひとつずつ丁寧に行いましょう。

慣れてくれば、丁寧に外しても1分程度で完了するようになります。

インビザラインの外し方でよくあるトラブルと対処法

インビザラインの外し方でよくあるトラブルと対処法

インビザライン治療中は、マウスピースの外し方に関してさまざまなトラブルに遭遇することがあります。ここでは、患者様からよくご相談いただく4つのトラブルと、その対処法を解説します。

マウスピースがどうしても外れない

治療開始直後や新しいマウスピースに交換した直後は、マウスピースが固く感じられ、外しにくいことがあります。

【対処法】

  • 深呼吸をして落ち着く
  • 鏡を見ながら、奥歯の内側に確実に爪を引っかける
  • 少しずつ力を加えて、マウスピースを浮かせる
  • アライナーリムーバーを使用する
  • それでも外れない場合は、クリニックに連絡する

外す時に痛みがある

マウスピースを外す際に痛みを感じる場合、原因によって対処法が異なります。

【痛みの種類と対応】

  • 軽い圧迫感・違和感:歯が動き始めている正常な反応。数日で慣れることが多い
  • 鋭い痛み:外し方を見直す。痛みが続く場合は歯科医師に相談
  • 出血を伴う:すぐに歯科医師に連絡

正しい手順でゆっくりと外し、痛みが強い場合はマウスピースを前後に少し揺らしながら外すと楽になります。

マウスピースが変形してしまった

間違った外し方を繰り返すと、マウスピースが変形してしまうことがあります。

【変形の確認方法】

装着時に2mm以上浮いている、特定の部分が入りにくい、装着感が明らかに違う

【対処法】

  • すぐに使用を中止し、担当医に連絡する
  • 前の段階のマウスピースを装着する(担当医の指示に従う)

変形したマウスピースを使い続けると、歯が意図しない方向に動く可能性があります。「もったいない」と思わず、すぐに使用を中止してください。

アタッチメントが取れてしまった

間違った外し方をすると、アタッチメントが脱離してしまうことがあります。

【対処法】

  • クリニックに連絡する
  • 取れたアタッチメントの数と位置を伝える
  • マウスピースの装着は継続する(担当医の指示に従う)

アタッチメントの再装着は15〜30分程度の簡単な処置です。取れたアタッチメントを持参する必要はありません。1〜2個の脱離であれば治療への影響は比較的小さいですが、できるだけ早く再装着してもらいましょう。

マウスピースの正しいお手入れ

マウスピースの正しいお手入れ

マウスピースを外した後は、適切なお手入れが必要です。お手入れを怠ると、細菌が繁殖して虫歯や歯周病のリスクが高まり、においの原因にもなります。

ここでは、基本的な3ステップのお手入れ方法を解説します。

ステップ1:流水で洗う

マウスピースを外したら、まず流水でよくすすぎます。水またはぬるま湯(30〜35度程度)で、唾液や汚れを洗い流しましょう。40度以上のお湯は変形の原因となるため使用しないでください。

ステップ2:柔らかい歯ブラシで磨く

毛先が柔らかい歯ブラシで、マウスピースの表面と内側を優しく磨きます。歯磨き粉は使用しないでください。研磨剤が含まれている歯磨き粉を使うと、マウスピースに傷がつき、においの原因となります。

ステップ3:専用洗浄剤を使う

週に2〜3回、マウスピース専用の洗浄剤を使用すると、より清潔に保てます。水洗いだけでは落ちない汚れやにおいを除去でき、除菌効果も期待できます。

内部リンク:インビザライン 手入れ

マウスピースの保管方法

マウスピースの保管方法

マウスピースを外した後の保管方法も重要です。以下の5つのポイントを守りましょう。

  • 水気をしっかり拭き取る:濡れたまま保管すると細菌が繁殖する
  • 専用ケースに入れる:紛失や破損を防ぐため、必ずケースに保管
  • ケースも定期的に洗う:週に1〜2回は洗浄する
  • 直射日光や高温を避ける:車のダッシュボードや窓際には置かない
  • 定期的に風通しを良くする:ケースの蓋を開けて湿気を逃がす

インビザラインの正しい装着方法

インビザラインの正しい装着方法

マウスピースの外し方をマスターしたら、正しい装着方法も確認しておきましょう。外し方と同様に、装着方法を間違えるとマウスピースの変形や破損につながります。

装着は外すよりも簡単ですが、正しい手順を守ることで、マウスピースを長持ちさせ、治療効果を最大限に引き出すことができます。

ステップ1:上下を確認する

マウスピースを装着する前に、必ず上下を確認しましょう。

【見分け方】

  • 前歯の部分が大きい方が上顎用
  • 前歯の部分が小さい方が下顎用

上下を間違えると、マウスピースが破損したり変形したりする原因となります。慣れるまでは、必ず確認してから装着してください。

マウスピースのケースには「U(Upper:上)」「L(Lower:下)」と記載されていることが多いので、参考にしましょう。

ステップ2:前歯から装着する

マウスピースは、外す時とは逆に、前歯から装着します。

【手順】

  1. マウスピースを両手で持つ
  2. 前歯部分から歯に合わせる
  3. 前歯がはまったら、左右の奥歯に向かって順に指で押さえていく
  4. 全体が歯列に沿っていることを確認する

【注意点】

  • 歯で噛んで装着しない(マウスピースが割れる原因)
  • 頬の内側を巻き込まないよう注意する
  • 一気に押し込まず、順番に装着していく

装着時に違和感や圧迫感があるのは正常です。マウスピースが歯にしっかりフィットしている証拠であり、心配はいりません。

ステップ3:アライナーチューイーで密着させる

マウスピースを装着したら、アライナーチューイーを使って歯にしっかり密着させます。

アライナーチューイーとは、シリコンゴムでできたロール状の道具で、マウスピースを歯に密着させるために使用します。

【使い方】

  1. アライナーチューイーを口に入れる
  2. 前歯部分から順に、20〜30秒ずつ噛む
  3. 左右の奥歯も同様に噛む
  4. マウスピース全体が歯に密着したことを確認する

【ポイント】

  • 各部位で20〜30秒程度噛めば十分です
  • 噛みすぎるとマウスピースがはまりすぎて、外しにくくなります
  • 前歯部分は浮きやすいため、特にしっかり密着させましょう

装着後は、指で軽く触ってマウスピースが浮いていないか確認しましょう。浮いている部分があれば、その部分を再度アライナーチューイーで噛んで密着させてください。

まとめ

まとめ

インビザライン治療を成功させるためには、マウスピースの正しい外し方を身につけることが非常に重要です。この記事で解説した内容を改めて確認しましょう。

【正しい外し方の基本】

  • 必ず「片側の奥歯→反対側の奥歯→前歯」の順番で外す
  • 内側(舌側)から爪を引っかけて外す
  • 焦らず、ゆっくり段階的に外す
  • アタッチメント部分は特に慎重に扱う

治療開始直後は慣れないため時間がかかるかもしれませんが、数日も経てば自然と正しい方法が身につきます。この記事をブックマークして、困った時にいつでも確認できるようにしておきましょう。

当院では、インビザライン治療開始時に装着・脱着の丁寧な指導を行っており、治療中も患者様からのご質問やご相談にきめ細かく対応しています。マウスピースの外し方でお困りの際は、遠慮なくご連絡ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞