2026/01/30

インビザラインの治療費、実は確定申告で還付される可能性があるのをご存じですか?条件を満たせば、数万円〜十数万円が戻ることもあります。
ただし、すべての矯正治療が控除の対象になるわけではなく、適用には明確な条件があります。申請にあたっても、対象となる費用や必要書類についての正しい理解が欠かせません。
この記事では、インビザラインが医療費控除の対象になる条件から、申請手続き、失敗しないコツまでをわかりやすく解説します。

インビザラインの治療費が医療費控除の対象になるかどうかは、実はケースによって異なります。まずは、制度の基本と判断基準について整理しましょう。
医療費控除とは、1年間に一定額以上の医療費を支払った場合に、所得税が軽減される制度です。対象は本人だけでなく、生計を一つにする家族の医療費も含まれます。
具体的には、「その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費の合計額」が基準となり、10万円(または総所得金額等の5%)を超える部分が控除対象になります(上限200万円)。
たとえば、年間で歯列矯正や通院費などを含めて35万円を支払った場合、25万円が控除対象となり、還付される金額は所得税率によって異なりますが、数万円〜10万円程度になることもあります。
インビザライン治療でも、「治療目的」であれば医療費控除の対象になります。これは、歯列不正によって「噛み合わせに支障がある」「発音に影響がある」と診断された場合などが該当します。
一方、見た目を良くする「審美目的」の矯正治療は対象外とされます。
治療目的の判断は歯科医の診断に基づき、確定申告の際に「診断書の提出を求められる可能性」があります。
参照元:国税庁|No.1128 医療費控除の対象となる歯科矯正の費用
審美目的とは、単に「見た目を整えたい」「歯並びを綺麗にしたい」という理由で行う矯正のことを指します。
これに対して機能回復目的とは、「噛み合わせの異常」や「発音障害」など、日常生活に支障がある症状を改善するための治療を指します。
医療費控除が適用されるかどうかは、この「目的」によって大きく変わるため、カウンセリング時に「治療目的」であると明確に説明されているか確認しておくことが重要です。

医療費控除の対象となるのは、「すべての支出」ではありません。ここでは、対象となる費用・ならない費用の違いについて具体的に解説します。
インビザライン治療にかかる費用のうち、「治療に直接必要な費用」は医療費控除の対象になります。具体的には以下のような費用が該当します。
これらはすべて、機能回復を目的とした治療の一環と見なされるため、確定申告時に控除を受けることができます。
治療のために通院した場合の公共交通機関の交通費も医療費控除の対象となります。ただし、以下の点に注意が必要です。
また、治療に必要な処方薬の購入費用も控除対象です。薬局での領収書は大切に保管しておきましょう。
なお、治療目的を証明するために必要な診断書の作成費用も控除対象になります。
以下のようなケースは、医療費控除の対象外と判断される可能性が高いです。
また、支払日が対象年度外の場合、翌年以降の申告対象になるため注意が必要です。契約時の支払スケジュールも確認しておきましょう。

医療費控除を受けるには、正しい手続きを踏むことが必要です。確定申告の準備を始める前に、必要書類や記録のポイントを確認しておきましょう。
医療費控除を受けるには、確定申告時に以下の書類を提出・準備する必要があります。
診断書は必須ではありませんが、治療目的が明確でない場合に税務署から提出を求められる可能性があるため、念のため準備しておくと安心です。
インビザライン治療の通院にかかった電車・バスなどの公共交通機関の費用は、医療費控除の対象となります。申告時に困らないよう、通院日・ルート・金額を忘れずに記録しておきましょう。
最近では、「お薬手帳」アプリなどを使って医療関連の記録をまとめる方も増えています。完全な交通費管理には対応していないものの、通院の履歴や薬代などを一括で把握できるため、確定申告時に役立ちます。
なお、ガソリン代や駐車場代、自家用車の移動は原則として控除対象外です。公共交通機関の利用を優先しましょう。
医療費控除の申請は、毎年2月中旬〜3月中旬の確定申告期間に行います。
パソコンやスマホから「e-Tax(国税庁の電子申告システム)」を使って申請するのが便利です。初めての方にとっては難しく感じるかもしれませんが、手順は大きく3ステップです。
最近では、マイナンバーカードとスマホがあれば、郵送不要で完結できるケースも増えています。
「控除と聞くと難しそう…」と感じる方も、一度流れを掴めば思ったより簡単ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

医療費控除で実際にどのくらいの還付金が得られるのか、気になる方も多いはずです。ここでは、具体的な計算方法と目安をご紹介します。
医療費控除で戻ってくる金額(=所得税の還付額)は、以下の計算式で大まかに予測できます。
医療費控除額 =(支払った医療費 - 保険金等の補填額 - 10万円 or 所得の5%)
この控除額に対して、あなたの所得税率をかけた金額が、実際に戻ってくる「還付額」の目安です。
たとえば…
ただし、所得税率は収入によって異なるため、還付額も人によって変わります。給与所得者の場合は「源泉徴収票」に記載された「課税所得」をもとに確認できます。
また、医療費控除には上限(200万円)がある点にも注意してください。
医療費控除は、その年の確定申告期間を過ぎてしまっても、最大5年までさかのぼって申告することが可能です。
これは「更正の請求」という制度で、以前に支払った医療費が控除対象だったにもかかわらず、申告し忘れた場合などに使えます。
たとえば、数年前にインビザライン治療を始めていて、当時は医療費控除のことを知らなかった方でも、条件を満たせば今から申告できる可能性があります。
ただし、当時の領収書や契約書などの記録が残っていることが前提となるため、今後の治療費も含めて、書類はきちんと保管しておくことが大切です。

制度を活用するうえで、見落としやすいポイントもいくつかあります。スムーズな申告のために、事前に押さえておきたい注意点をまとめました。
インビザライン治療が医療費控除の対象になるかどうかは、「治療目的」であることを証明できるかどうかが重要なポイントです。この証明として、税務署から診断書の提出を求められることがあります。
たとえば、「噛み合わせに異常があり、生活に支障があるための矯正治療」といった内容が明記されていれば、治療目的と認められやすくなります。
診断書はすべてのケースで必須ではありませんが、心配な方は歯科医院で事前に相談しておくと安心です。
当院でも、必要に応じて診断書の作成に対応しておりますので、ご不安な方はお気軽にお申し付けください。
医療費控除の申請には、「医療費控除の明細書」を提出します。
このとき、治療費の内訳や支払先を正確に記載する必要があるため、領収書や契約書をきちんと保管しておきましょう。
また、以下の点も意外と見落とされがちです。
申告時に慌てないよう、治療スタート時点から情報を整理しておくのがおすすめです。

年末調整では医療費控除はできません。必ず自分で確定申告が必要です。
会社員の方によくある誤解ですが、医療費控除は年末調整の対象外です。
給与所得者であっても、医療費控除を受けるには、ご自身で税務署へ申告するか、e-Taxでの手続きが必要になります。
分割手数料や利息は対象外、治療費そのもののみ控除対象です。
クレジットカード払いやデンタルローンなどを利用した場合、分割での支払いになることがあります。この場合でも、治療費そのものは控除対象ですが、分割時に発生する金利や手数料は対象外です。
生計を一にする(同一生計の)家族の分は、まとめて一人が申告できます。
たとえば、子どもの矯正治療費を親が支払った場合、その金額を親の医療費としてまとめて申告できます。
このとき、還付金を多く受け取れる可能性のある人(所得が高い人)を申告者に選ぶと、節税効果が大きくなります。

インビザラインの治療費は、条件を満たせば医療費控除の対象となります。ただし、審美目的と治療目的の違いや、書類の準備・申請手順には注意が必要です。
この記事では、対象となる費用や申告の流れ、そして診断書や交通費の取り扱いについても詳しく解説しました。
少し手間はかかりますが、数万円〜数十万円が還付される可能性もある制度ですので、ぜひ正しく理解して活用しましょう。
なお、ご自身のケースが控除対象になるか不安な方は、歯科医院や税理士に相談するのが安心です。
当院でも診断書の発行や医療費控除に関するご相談を承っておりますので、お気軽にお声がけください。