2025/12/24

「顎が長く見えるのを短くしたい」
「下顔面の間延びをスッキリさせる方法を知りたい」
このように悩んでいませんか?
中抜き法(ダブルカット法)は、下顔面を物理的に短く整えられる形成手術です。プロテーゼを使わず骨そのものを調整するため、仕上がりが自然で後戻りが少ない点が大きな特徴です。
この記事では、中抜きオトガイ形成の手術方法や得られる効果、注意すべきリスクについてわかりやすく解説します。
読めば、「どんな人に向いている手術なのか」「自分の悩みに合う治療かどうか」を判断しやすくなるはずです。

中抜き法(ダブルカット法)とは、顎先(オトガイ)の骨を水平方向に2ヶ所切り、その間の骨を取り除いて短く再固定する手術方法です。顎の骨を直接切除して調整するため、顎の長さを物理的に短縮することができます。
この方法は、「顎が長く見える」「下顔面が間延びしている」と感じる人に適しており、顔全体の縦のバランスを整える効果があります。プロテーゼを使用せずに骨を移動させるため、仕上がりが自然で後戻りが少ないのが特徴です。
また、フェイスラインや横顔(Eライン)のバランスを改善する目的にも有効で、下顎の突出感を抑えつつ、より調和の取れた顔立ちを目指すことができます。自然な印象で下顔面を短く整えたい方に選ばれる形成外科的手法です。

オトガイ形成には、「中抜き法」のほかにも、顎を前方に出して輪郭を整える「前方移動法」や、シリコンなどの人工物を挿入して形を整える「プロテーゼ法」など、いくつかの方法があります。
| 手術法 | 主な目的 | 概要 |
|---|---|---|
| 中抜き法(ダブルカット法) | 顎を短く・下顔面をすっきり見せる | 顎先の骨を2ヶ所で切り、間の骨を除去して短く固定 |
| 前方移動法 | 顎を前に出す・後退顎を改善する | 顎先の骨を切り、前方に移動して固定 |
| プロテーゼ法 | 顎を出す・形を整える | シリコンなどを挿入して輪郭を形成 |
中抜き法は、顎先の骨を実際に短くして調整するため、下顔面をすっきり見せたい人や顎の長さを改善したい人に適しています。骨格そのものを調整するため、プロテーゼ法に比べて後戻りが少なく、より自然な輪郭を再現できる点が特徴です。
ただし、骨を切る外科的手術であることから、プロテーゼ法よりも腫れやダウンタイムが長くなる傾向があります。仕上がりの自然さと回復期間のバランスを考慮し、自分の目的や希望に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

中抜きオトガイ形成では、顎先の骨を短くして再固定することで、下顔面の長さを整え、顔全体のバランスを自然にすっきりと見せる効果があります。顎が長く見える、下半分が間延びして見えるといった悩みを根本的に改善できます。
顎の長さを短縮することでフェイスラインが引き締まり、小顔効果が得られる点も大きな魅力です。また、横顔のEライン(鼻先と顎先を結ぶ理想的なライン)が整い、口元が自然に引き締まった印象になります。
さらに、顎下から首にかけてのラインがなめらかに整い、全体的にシャープで上品な印象の輪郭を形成できます。輪郭のバランスを重視しながら、ナチュラルで洗練されたフェイスラインを実現できる形成法です。

中抜きオトガイ形成は顎先を短縮して輪郭を整える有効な方法ですが、骨切り量や固定の精度、神経の位置関係によっては注意すべきリスクも伴います。
主なリスクは以下のとおりです。
それぞれについて詳しく解説します。
中抜きオトガイ形成では、顎先に走る「オトガイ神経」という知覚神経に近い位置を操作するため、手術後に一時的なしびれや感覚の鈍さが生じることがあります。これは神経が手術中の刺激や腫れによって一時的に圧迫されるために起こるものです。
多くの場合、数週間〜数ヶ月のうちに自然と回復しますが、まれにしびれや感覚の違和感が長く残るケースも報告されています。そのため、術前にはCT画像などで神経の位置を正確に把握し、損傷を避けながら慎重に骨切りを行うことが重要です。
術後に強いしびれや違和感、感覚の異常が長期間続く場合は、神経の回復状況を確認するために早めの再診を受けることが推奨されます。適切な対応により、多くは時間の経過とともに改善が見込めます。
中抜きオトガイ形成では、骨を切って再固定する際に、ごくわずかな位置のずれによって左右差が生じることがあります。見た目には大きく目立たない場合が多いものの、骨の移動量や固定位置の精度が仕上がりに影響するため、術中のミリ単位の調整が重要です。
また、骨の癒合(ゆごう:治る過程で骨がくっつくこと)が進む過程で固定プレートが緩んだり、周囲の筋肉や皮膚の張力が加わることで、軽度の後戻りが起こることもあります。
仕上がりを安定させるためには、術後の固定をしっかり守ること、医師の指示に従って安静期間を確保することが大切です。定期的な診察で骨の癒合やプレートの状態を確認することで、左右差や後戻りのリスクを最小限に抑えることができます。
中抜きオトガイ形成では、顎の短縮量が大きすぎる場合や、顔全体のバランスを十分に考慮せずにデザインした場合、顎先が平らに見えたり、下顔面が極端に短く見えることがあります。こうした過度な短縮は、横顔の調和を崩し、意図しない印象を与える原因です。
また、顎先を後退させすぎると、相対的に口元が前方に出て見えることがあり、かえって不自然な横顔になってしまうこともあります。骨格や口元の突出度、Eラインとのバランスを考慮せずに調整を行うと、自然さを欠く仕上がりになるおそれがあります。
そのため、手術前にはCT画像や3Dシミュレーションを用いて、顔全体の比率や骨格構造を踏まえたデザインを行うことが大切です。自然な範囲で顎の長さと角度を調整することで、機能的にも審美的にも調和の取れた仕上がりが期待できます。

中抜きオトガイ形成は、顎が長く見える、下顔面が間延びしている、顔全体のバランスを整えたいと感じる人に適した手術法です。骨そのものを短く調整するため、見た目の印象を根本から整えることができます。
とくに、骨格自体が長めで「下顔面が強調されるタイプ」や「口元が引っ込んで見えるタイプ」に向いています。こうしたケースでは、顎の短縮によって顔の縦比率が整い、より自然で引き締まった印象のフェイスラインが得られます。
また、骨を切って短縮するため、プロテーゼなどを使う方法よりも後戻りが少なく安定した効果が得られるのも特徴です。単なるフェイスラインの修正では満足できない人や、下顔面の長さを根本的に改善したい人におすすめの形成術です。

骨格的なずれや咬み合わせの異常を伴う「顎変形症」の人では、顎先のみの手術では改善が難しい場合があります。
下顎全体が前方または後方にずれている場合は顎矯正手術(外科矯正)など、より広範囲の骨格調整が必要です。中抜き法だけでは骨格バランスを十分に補正できず、かえって咬合や顔貌の不調和を招くおそれもあります。
また、顎の骨が極端に薄い人や、過去に顎の手術・外傷歴がある人は、骨の強度や形状の問題から適応外となるケースがあります。
美容目的であっても、まずは医師による骨格・咬合状態の正確な診断を受け、リスクや他の治療法も含めた上で方針を決定することが大切です。

中抜きオトガイ形成の手術の流れは以下のとおりです。
それぞれについて詳しく解説します。
顔全体のバランスや骨格構造を丁寧に確認し、希望する仕上がりのイメージをヒアリングします。
次に、レントゲンやCT撮影を行い、骨の厚み・神経の位置・切除量などを精密に分析します。これにより、安全に骨を切除できる範囲や理想的な短縮量を把握することが可能です。
前方移動法やプロテーゼ法など他のオトガイ形成法との比較も行い、仕上がり・ダウンタイム・リスクなどを踏まえて、最適な手術法を選択します。
手術前に3D画像や模型を用いて、顎先の短縮量や角度をミリ単位でシミュレーションします。顔全体の骨格バランスを踏まえながら、理想的なラインを正確に設計することが目的です。
この段階で、術後に想定されるフェイスラインや横顔(Eライン)の変化を事前に確認できるため、イメージの相違を防ぎ、より自然な仕上がりを目指すことができます。
また、手術の安全性と安定性を確保するために、骨切りライン・固定方法・麻酔の種類や流れなど、細部にわたる治療方針を明確に決定します。
手術当日は、全身麻酔または静脈麻酔のもとで行われます。まず、口腔内(下唇の裏側)を切開し、顎先の骨を2ヶ所で水平にカットします。
切開はすべて口の中で行われるため、外から傷跡が見えないのが大きな特徴です。
次に、中央の骨を取り除き、残った上下の骨を短縮したうえで、チタンプレートでしっかりと固定します。
手術時間はおおよそ1〜2時間程度で、術後は腫れや出血の有無を確認しながら安静に過ごします。
中抜きオトガイ形成の術後は、2〜3日で腫れのピークを迎え、その後1〜2週間ほどで徐々に落ち着いていくのが一般的です。腫れやむくみが軽減するとともに、フェイスラインも自然な形に戻っていきます。
食事は術後数日間、刺激の少ないやわらかい食事を中心にし、口腔内を清潔に保つことが大切です。細菌感染を防ぐため、うがいや口腔ケアも医師の指示に従って行います。
また、固定に使用したチタンプレートは数ヶ月〜1年後に除去が推奨されるケースもあります。除去が不要な場合もありますが、医師の判断により適切な時期に対応します。
術後は定期的に通院し、骨の癒合状態や感覚の回復を確認しながら、最終的な形態が安定するまで経過観察を続けます。

中抜きオトガイ形成(ダブルカット法)では、一般的に3〜6mm程度の骨を取り除いて短縮するケースが多いです。数ミリの調整でも下顔面の印象は大きく変化し、顔全体がすっきりと引き締まって見えるようになります。
ただし、過度に骨を切除しすぎると、顔のバランスが崩れたり、不自然な印象になるおそれがあります。そのため、手術前に3Dシミュレーションなどで理想的な切除量を見極めることが重要です。
仕上がりに左右差がある場合や、思っていたより短く(または長く)なったと感じる場合には、再手術によって修正が可能なケースがあります。修正では、再度骨を切って位置を微調整し、必要に応じて骨片を追加・再固定することでバランスを整えます。
ただし、再手術は通常6ヶ月〜1年ほどの期間を空けて実施するのが一般的です。骨が十分に癒合していない状態で再手術を行うと、固定が不安定になったり、神経への負担が生じるおそれがあります。
しびれは数週間〜数ヶ月で徐々に改善し、半年ほどで自然に回復するケースがほとんどです。神経を直接損傷していない限り、時間の経過とともに感覚は戻っていくため、過度に心配する必要はありません。
ただし、しびれが長く続く場合や片側だけ感覚が鈍いといった左右差が見られる場合は、早めに手術を担当した医師へ相談することが大切です。
中抜き法(ダブルカット法)は、顎先(オトガイ部)の骨を短縮して顔のバランスを整える審美的手術です。主に見た目の改善を目的としており、顎が長く見える・下顔面が間延びしているといった悩みを自然に整えるために行われます。
一方、顎変形症の外科矯正は、上顎や下顎全体の位置や形を調整し、咬み合わせ・発音・呼吸などの機能面を改善する医療的治療です。顎の骨格に大きなずれや変形がある場合に行われ、歯列矯正と外科手術を組み合わせて根本的に改善します。
目的・適応範囲・保険適用の有無なども異なるため、どちらが適しているかは専門医による診断が必要です。

中抜きオトガイ形成は、顎先の骨を直接短縮することで、下顔面の長さや輪郭のバランスを整える有効な手術です。プロテーゼを使わず骨格そのものを調整するため、自然な仕上がりと安定した効果が期待できます。
一方で、骨切りを伴う手術である以上、腫れやしびれ、左右差、後戻りなどのリスクも理解しておく必要があります。とくに骨格的なずれや咬み合わせの問題がある場合は、中抜き法だけでは十分に改善できないケースも少なくありません。
自分に適した治療を選ぶためには、骨格・咬合状態を正確に評価できる医師の診察が不可欠です。
山之内矯正歯科クリニックでは、オトガイ形成から顎変形症の外科矯正まで、幅広い治療に対応しています。形成外科・口腔外科・呼吸器内科など多領域の医師と連携し、骨格診断から治療計画まで一貫したサポートが可能です。顎の長さやフェイスラインでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。