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マウスピース矯正の種類と特徴。適応や費用、治療期間を比較

マウスピース矯正の種類と特徴。適応や費用、治療期間を比較

近年、透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正装置を用いた歯科矯正を選ばれる方が増えています。

マウスピース矯正の種類は多岐にわたり、それぞれ特徴も異なります。世界的なシェアを誇るフルカスタム型から、日本人歯科医が開発したものまで、その種類は実にさまざまです。

「マウスピース矯正はどれを選べばいい?」「自分に合うものが知りたい」という方のため、本記事ではマウスピース矯正の種類とそれぞれの特徴を詳しくご紹介します。

選び方のポイントも解説するので、マウスピース矯正を検討中の方はぜひ参考にしてください。

代表的なマウスピース矯正の種類

代表的なマウスピース矯正の種類

以下に代表的なマウスピース型の矯正装置をまとめました。

インビザラインクリアコレクトアソアライナーホワイトラインキレイラインシュアスマイルアライナー
製造国米国スイス日本日本日本米国
特徴世界シェア上位のマウスピース矯正装置光沢を抑えた素材で目立ちにくい日本人歯科医師が開発リーズナブル&手軽さが魅力軽度の症例に適応ワイヤー矯正との組み合わせが可能
適応軽度~中等度症例(全顎)軽度~中等度症例(全顎)軽度症例(部分)軽度〜中等度症例(全顎)軽度症例(部分)軽度~重度症例(全顎)
費用相場30万円~100万円20万円~100万円20万〜80万円20万〜40万円20万〜45万円20万〜80万円

それぞれの特徴を詳しく解説します。

インビザライン

世界的に普及しているフルスペックのカスタム型の矯正装置です。1997年に米国で誕生して以来、世界中で2,000万人以上(※2025年10月時点)の治療に使用されています。

インビザラインは治療開始前に3Dシミュレーションを行い、現在の歯並びから治療終了までの歯の動きを可視化します。この技術によって治療の精度と予測性が高まり、患者様とのイメージ共有がしやすい点が大きな特徴です。

適応範囲の広さと治療の完成度のバランスに優れており、多くの歯科医院で採用されています。当院でもインビザラインを用いた矯正治療を取り入れております。

参照:インビザライン・ジャパン合同会社「インビザライン矯正® マウスピース型矯正装置​」

クリアコレクト

世界的なインプラントメーカーであるストローマン社が提供する矯正装置です。3Dツールを使い、治療計画やアライナー作成を正確にコントロールします。

クリアコレクトは歯茎を2mmほど覆うように設計されているのが特徴です。これにより装着時のフィット感が向上し、歯に効率的で強い矯正力を加えることができます。

プラスチック特有の光沢を抑えた素材を使用しているので、マウスピースを装着していることがわかりにくいメリットがあります。

参照:Straumann「クリアコレクト」

アソアライナー

日本人歯科医師によって開発された、日本製のマウスピース矯正システムです。主に軽度の症例や、部分的な歯並びの改善に適応しています。

歯型を取ってからマウスピースが完成するまでの期間が短く、最短10日ほどで矯正治療をスタートできます。アライナーはソフトからミディアム、ハードと厚みのあるものに移行し、矯正力を徐々にコントロールしていくのが特徴です。

歯型を約1〜2ヶ月ごとに取り直すため、治療経過を正確に判断できる点が大きなメリットです。ただし、抜歯が必要な症例や歯の移動量が大きい症例には適していません。

参考:株式会社アソインターナショナル「マウスピース型の矯正装置 AsoAligner」

ホワイトライン

歯のスペシャリストである歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士が一からつくり上げた日本製のマウスピース矯正です。

治療期間は最短3ヶ月、費用は20万〜40万円台と相場よりもリーズナブルで、手軽さを求める方に人気があります。

軽度の上顎前突(出っ歯)や空隙歯列(すきっ歯)、矯正後の後戻りなどに適応がありますが、骨格が影響する治療の難易度が高い症例には対応できません。

参考:ホワイトライン

キレイライン

2017年に日本で誕生した、軽度の症例に特化したマウスピース矯正装置です。治療期間は最短2.5ヶ月と短く、費用も比較的リーズナブルに設定されています。

3つのプランから選べるシンプルな料金体系も、キレイラインならではの特徴です。

参照:キレイライン矯正

シュアスマイルアライナー

ワイヤー矯正の分野で実績のある米国のデンツプライシロナ社が提供するデジタル矯正システムで、CTや口腔内スキャナーで取得したデータを元にアライナーを製作します。

ワイヤー矯正に用いられるシステムを使用するので、症例の難易度に応じてワイヤーとアライナーを柔軟に組み合わせることができます。

参照:Dentsply Sirona「SureSmile®︎アライナー」

マウスピース矯正の種類はどう選ぶ?

マウスピース矯正の種類はどう選ぶ?

マウスピース矯正を始めるにあたって、患者様はどの方法を選ぶべきか迷うところだと思います。選び方のポイントは大きく3つあります。

  • 適応があるか
  • 歯科医院が通院可能な距離にあるか
  • 支払いが可能かどうか

それぞれのポイントを詳しく解説します。

適応があるか

マウスピース矯正にはさまざまな種類がありますが、どの矯正装置もすべての症例に適応があるわけではありません

たとえば、骨格のズレを矯正したり、歯を大きく移動させる必要がある症例はマウスピースで対応できないことが多いです。マウスピースでの治療が困難な症例では、ワイヤー矯正やミニスクリューなどの方法が推奨されます。

見た目だけで判断することは難しく、治療計画を立てるにはレントゲンや口腔内スキャンなどの精密検査が必要です。

歯科医院が通院可能な距離にあるか

マウスピース矯正は、歯の動き具合や噛み合わせの変化を定期的にチェックし、必要に応じて計画を微調整しながら進めていきます。

頻度としては1〜3ヶ月に一度の通院が必要となるため、歯科医院が無理なく通える距離にあるかどうかも重要なポイントです。

仕事や学校、習い事などで通院の間隔が延びてしまうと、計画通りに治療を進められない可能性があります。結果として治療期間が延びてしまうこともあるため、歯科医院選びでは通いやすさもチェックしましょう。

支払いが可能かどうか

歯科矯正は保険適用外(自費診療)となるため、支払い面の問題もクリアしなければなりません。

一括払い以外では、クレジットカード払いやデンタルローンが選択できます。歯科医院によっては独自の分割制度を利用することも可能です。

費用面の不安が大きくなると通院が途切れたり、十分な効果が得られないまま治療を中断してしまうリスクがあります。効果に影響が出ないよう、費用や支払い方法は見積もりの段階でしっかりと確認することが大切です。

山之内矯正歯科クリニックでは、一括払い・分割払い・ローン会社を通さない分割払いに対応しております。費用面でのご質問はお気軽にお問い合わせください。

子ども向けマウスピース矯正の種類

子ども向けマウスピース矯正の種類

小児向けのマウスピース矯正にもいくつかの種類があります。

インビザライン・ファーストプレオルソマイオブレースムーシールド
製造国米国日本オーストラリア日本
特徴インビザラインの小児用日中1時間と就寝時に装着4つのプロセスで口腔習癖を改善受け口の治療に特化
適応軽度~中等度症例上顎前突・叢生・過蓋咬合・開咬・反対咬合※軽度〜中等度症例軽度〜中等度の反対咬合
費用相場30万円~100万円3万〜20万円15万〜40万円3万〜10万円

※上顎前突(じょうがくぜんとつ)…上の前歯や上あごが前に出ている状態(出っ歯)

※叢生(そうせい)…歯が重なり合ったり、乱れて並んでいる状態

※過蓋咬合(かがいこうごう)…上の前歯が下の前歯を深く覆い、噛み合わせが深すぎる状態

※開咬(かいこう)…上下の歯が噛み合わず、前歯や奥歯にすき間ができる状態

※反対咬合(はんたいこうごう)…下の前歯が上の前歯より前に出て噛み合う状態(受け口)

それぞれの特徴を詳しく解説します。

インビザライン・ファースト

インビザラインの小児版で、混合歯列期(6〜10歳前後)を対象にしたアライナー矯正です。3Dシミュレーションを用いて治療計画を立てるため、治療前から歯の動きや最終イメージを確認できる点が大きな強みです。

目立ちにくく痛みが少ないことから、お子様がストレスなく続けやすいメリットがあります。運動中も装着できるので、学校生活や習い事への影響も少なく済みます。

参照:インビザライン・ジャパン合同会社「インビザライン・ファースト」

プレオルソ

日本の歯科医が開発した小児向けのマウスピース矯正装置です。やわらかいポリウレタン素材は弾性に優れ、痛みや違和感が軽減されています。

装着時間は日中1時間と就寝時のみで、小さなお子様でも始めやすいのが特徴です。装着すると自然に舌が持ち上がる構造は、歯列矯正だけでなく舌癖の改善にも効果的です。

プレオルソは適応やサイズ、硬さでいくつかの種類に分けられます。

参照:株式会社フォレスト・ワン「プレオルソ」

マイオブレース

歯並びを悪化させる口腔習癖(舌の位置や口呼吸・飲み込み方など)を改善することを目的とした矯正プログラムです。

適応年齢は3〜15歳と幅広く、習癖の改善・歯列の発育誘導・歯の配列・保定という4段階のステップで進められます。装着は日中1時間と就寝時のみで、学校生活への影響が少ないメリットがあります。

参照:株式会社オーティカ・インターナショナル「マイオブレース・システム」

ムーシールド

反対咬合(受け口)の改善に特化した矯正装置で、舌や口周りの筋肉バランスを整えることで下あごが前に出やすい状態を改善していきます。

3歳から使用でき、就寝時のみの使用で効果が期待できます。使用期間の目安は1年前後です。

参照:株式会社JM Ortho「ムーシールド」

マウスピース矯正はソフトとハードどちらがおすすめ?

マウスピース矯正はソフトとハードどちらがおすすめ?

マウスピース矯正では、装置そのものの素材や厚みが段階的に変わるタイプにおいて「ソフト」「ハード」といった硬さの違いが言及されます。

最初はやわらかめのマウスピースを使い、徐々に硬いものへと移行していくのが一般的です。ソフトタイプはマウスピースに慣れるため、ハードタイプは歯を動かすことを目的としています。

どちらが適しているかというよりは、両者を段階的に使い分けるといった認識が正解です。

なお、アライナー型のマウスピース(インビザラインなど)は素材の硬さが事前に決定されており、患者様ご自身でソフト/ハードを選ぶということはしません。

まとめ

まとめ

マウスピース矯正は、種類や特徴によって適応範囲や治療の進め方が大きく異なります。インビザラインのように幅広い症例に対応できるものから、部分矯正に適したシステムまで、多様な選択肢があります。

どの方法が最適かは歯並びの状態や骨格、年齢などによって変わるため、まずは精密検査を受け、歯科医に相談することが重要です。自分に合ったマウスピース矯正を選ぶことで、快適に治療を進めながら理想の歯並びを実現できます。

山之内矯正歯科クリニックでは、インビザラインを用いた矯正治療を取り入れております。「歯並びをきれいにしたい」「負担の少ない歯科矯正がしたい」という方は、お気軽に当院までご相談ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

マウスピース矯正で出っ歯は治らない?治療効果や期間について

マウスピース矯正で出っ歯は治らない?治療効果や期間について

出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)でお悩みの患者様から「マウスピース矯正で治せますか?」とお問い合わせをいただくことがあります。

結論から申し上げると、マウスピース矯正で改善できる出っ歯と治せない出っ歯があります。本記事では、マウスピース矯正で改善できる症例を詳しくまとめました。

マウスピース矯正で出っ歯は治らない?

マウスピース矯正で出っ歯は治らない?

マウスピース矯正で出っ歯を改善できるかどうかは、症状の程度や原因によります。前歯が軽く前に傾いている程度の出っ歯であれば、マウスピース矯正で整えられる可能性があります。

反対に、マウスピースでの矯正が困難なのは、上あごと下あごの骨格的な前後差が大きい症例や前歯の移動量が大きいケースです。マウスピース単独では力が不足する症例では別の矯正装置が推奨されることがあります。

マウスピース矯正は目立ちにくく、ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が少ないことが大きなメリットです。インビザラインの登場以降は「マウスピースで矯正できるならやってみたい」といったお問い合わせも増えました。

マウスピース矯正はその手軽さで人気の高い治療法ですが、すべての症例に適応があるわけではありません。難易度の高い症例には向かないこともあるため、マウスピース矯正での出っ歯治療を検討中の方はまず歯科医に相談してみることをおすすめします。

出っ歯の原因

出っ歯の原因

出っ歯は生まれつきの骨格によるものから日常の癖による後天的なものまで、いくつかの原因があります。

  • 遺伝
  • 指しゃぶり・口呼吸
  • 舌の癖
  • 歯ぎしり

それぞれの原因を詳しく解説します。

遺伝

出っ歯は、生まれつきの骨格や歯の大きさ、あごの成長バランスの影響を受けます。たとえば、上あごが大きい・下あごが小さい・歯が大きいといった特徴は遺伝的な影響を受けやすい要素です。

出っ歯自体が遺伝するわけではありませんが、両親や祖父母から引き継いだ顔立ちやあごの大きさに加えて、生活習慣や癖などが影響し、出っ歯になることがあると考えられています。

指しゃぶり・口呼吸

指しゃぶりは前歯を前へ押し出す力が加わり続けるため、出っ歯の原因になりやすい習慣です。吸う動作には上下方向と前方向への力が働くため、長い期間続くと前歯が傾き、上あごの歯列が狭くなることがあります。

口呼吸については、唇で歯を支える力が弱まり、口が開きやすい状態になります。口が開いたままでは前歯が前に倒れ込み、出っ歯が進行する可能性があります。

幼少期はあごの骨がやわらかく、指しゃぶりや口呼吸などの口腔習癖の影響を受けやすい時期です。お子様の癖に気づいたら、早期に対処することが必要です。

舌の癖

食べ物を飲み込む時に舌が前へ押し出される癖や、発音の際に舌が前歯に触れる癖も出っ歯の原因になるといわれています。

このような癖は「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」と呼ばれ、出っ歯だけでなく前歯にすき間をつくる原因にもつながります。

舌は筋肉であり、その見た目以上に強い力をもつため、歯並びを整えるには舌の癖に注意が必要です。幼少期はもちろんですが、大人でも舌の使い方によって前歯の傾きが悪化することがあります。

歯ぎしり

歯ぎしりや食いしばりの力は非常に強く、出っ歯だけでなく歯の摩擦やぐらつき、顎関節への影響も懸念されます。

歯ぎしりは睡眠中に無意識で行われるため、ナイトガードと呼ばれる睡眠中に装着するマウスピースでの対策が有効です。ただし、ナイトガードとマウスピース矯正の併用はできません。

歯ぎしりが強い場合は、ストレス要因の改善や、筋肉の緊張を和らげるためのケアを並行して行う方法があります。

マウスピース矯正で出っ歯が治るまでの期間

マウスピース矯正で出っ歯が治るまでの期間

出っ歯のマウスピース矯正にかかる期間は、歯をどの程度動かすかで大きく変わります。

前歯の傾きだけを整える軽度な症例であれば3〜9ヶ月ほど、歯列全体や噛み合わせの治療も必要となれば1〜2年ほどが目安です。

マウスピース矯正は装着時間が効果に影響するため、治療を長期化させないためには指示された装着時間を守ることが大切です。(インビザラインは1日20〜22時間以上の装着が必須)

また、歯がきちんと動いているか確かめるには定期通院も欠かせません。計画通り動いていなければ追加でアライナーを作製し経過を観察します。

治療が完了した後は後戻りを防ぐための保定期間が必要で、矯正とほぼ同じ期間リテーナー(保定装置)を装着します。

出っ歯のマウスピース矯正にかかる費用

出っ歯のマウスピース矯正にかかる費用

出っ歯のマウスピース矯正にかかる費用は、部分治療か全体矯正かによって幅があります。軽度の出っ歯であれば20万〜60万円ほど、歯列全体の矯正が必要なケースでは60万〜120万が相場です。

金額にはマウスピース代のほか、精密検査や調整料、治療後の保定装置などが含まれることが多いです。歯科矯正は原則として自由診療として扱われるため、医院によって料金体系は異なります。

初回カウンセリングでは、追加アライナーが必要になったり、マウスピースを紛失・破損した場合の再作成の費用も確認しておくと安心です。

マウスピース矯正以外の出っ歯の治療法

マウスピース矯正以外の出っ歯の治療法

マウスピース以外で出っ歯の改善に効果的な治療法には次のものがあります。

特徴メリット注意点
ワイヤー矯正歯の表面にブラケットとワイヤーを装着し、多方向の力で歯を自在に動かす大きな動きに対応できる清掃性が低い
インプラント矯正骨に小さなネジを固定し、その支点を利用して歯を動かす歯の移動方向をコントロールしやすい単独では行えない
セラミック矯正歯を削ってセラミックの被せ物を装着する短期間で仕上がる歯を削る必要がある
外科的手術あごの骨格そのものを移動し、位置関係を根本的に整える噛み合わせを大幅に改善できる手術の負担がある

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

ワイヤー矯正

歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーの弾性を利用して歯を動かす伝統的な方法です。複数方向に力をかけられるため、重度の出っ歯や複雑な不正咬合(ふせいこうごう)にも対応できます。

歯科矯正では、歯が並ぶスペースが足りない場合に抜歯が必要になることがあります。このようなケースではワイヤー矯正が選ばれることが多いです。

一方で、装置が固定式であることから清掃が難しいため、普段よりも丁寧なケアが必要になります。丁寧にブラッシングしなければ虫歯や歯周病のリスクが高まる点はワイヤー矯正の注意すべき側面です。

インプラント矯正

アンカースクリューと呼ばれる小さなネジをあごの骨に固定し、その支点を利用して歯を動かす矯正術です。歯を補うインプラント治療とは異なり、矯正力を高めるために用いる補助的な手段となります。

インプラント矯正は上下左右へ大きく歯を移動させたい場合や、出っ歯や下顎前突(かがくぜんとつ:受け口)、開咬(かいこう:前歯が噛み合わずに開いている状態)の改善に有効です。

単独ではなく、マウスピース矯正やワイヤー矯正と併用されることが一般的で、治療期間の短縮や仕上がりの精度向上に役立ちます。

セラミック矯正

歯を削ってセラミック製の被せ物を装着し、見た目を整える方法です。形や角度を人工物で補うため、短期間で仕上がる点が大きな特徴です。

セラミック矯正は歯を削るだけでなく、必要に応じて神経を抜かなければいけないことがあります。歯を動かすことはしないため、骨格が影響する重度の出っ歯には適応がありません。

外科的手術

上あごの骨格そのものが前方に突出していたり、骨格的なズレが大きい症例は歯科矯正だけでの改善が難しく、外科的手術が選択肢に入ることがあります。

外科的手術の主な目的は、あごの骨を正しい位置へ移動させることです。手術が必要かどうかは、骨格の状態や機能的な問題などを総合的に診て判断します。

歯科矯正は原則として保険適用外ですが、特定の疾患が関連する症例に限り保険診療となります。

▼保険診療の対象となるケース

  • 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
  • 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
  • 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療

参考:公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」

出っ歯のマウスピース矯正にまつわる質問

出っ歯のマウスピース矯正にまつわる質問

市販のマウスピースで出っ歯は治せる?

治せません。市販のマウスピースは歯ぎしり予防やスポーツ時の保護を目的につくられており、歯を動かす機能は備わっていません。

マウスピース矯正で子どもの出っ歯は治せる?

軽度から中等度の出っ歯であれば改善できる可能性があります。小児の場合、成長期の骨のやわらかさを利用し、噛み合わせを整えます。

小児の出っ歯は指しゃぶりや口呼吸が原因となっていることもあるので、舌の癖を改善するトレーニングの併用も有効です。

出っ歯にはマウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらがおすすめ?

どちらが適しているかは歯の移動量や目標とする仕上がりによって異なります

前歯が軽く傾いている程度であれば、マウスピース矯正の方が快適に進められることが多いです。目立ちにくく手入れは簡単で、治療中の違和感も少なく済みます。

一方で、歯の移動量が大きい症例ではワイヤー矯正の方が効率よく治療を進められます。両者のメリットを活かしたハイブリッド矯正が選択肢になることもあります。

どちらを選ぶかは、歯の状態や目標をふまえて医師と相談して決めることが大切です。

出っ歯のマウスピース矯正で抜歯は避けられる?

状態によります。軽度の出っ歯であれば、歯をわずかに削ったり、奥歯を後方へ移動させる方法で抜歯せずに済むことがあります。

しかし、歯が並ぶスペースが不足していたり、歯列全体が前に押し出されているような状態では抜歯する方がいいこともあります。

出っ歯はインビザラインで治せる?

インビザラインは軽度から中等度の上顎前突に幅広く対応できるマウスピース矯正で、多くの症例で改善が期待できます

歯の移動量が大きい場合や、骨格的なズレを改善する必要がある症例では、顎間(がっかん)ゴムやアンカースクリュー、短期間のワイヤー併用が必要になることがあります。

インビザラインでは治療開始前に3Dシミュレーションで仕上がりイメージの確認が可能です。当院でもインビザラインを用いた矯正治療を取り入れております。

ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

まとめ

まとめ

マウスピース矯正は、軽度から中等度の出っ歯に対して効果を発揮する治療法です。目立ちにくくお手入れも楽なので、治療中も快適に過ごせます。

歯の移動量や骨格のズレが大きい場合は、マウスピース矯正以外の方法が推奨されることがあります。最適な方法は歯の状態によって異なるため、まずは精密検査を受け、自分の状態に合う治療計画を立ててもらうことが大切です。

山之内矯正歯科クリニックは、見た目と機能性を兼ね備えた歯科矯正を行っています。「マウスピースで出っ歯を治したい」「負担の少ない歯科矯正がしたい」という方は、お気軽に当院までご相談ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

マウスピース矯正の治療期間について。平均は?短縮する方法はある?

マウスピース矯正の治療期間について。平均は?短縮する方法はある?

マウスピース矯正は見た目が自然で、取り外しできる手軽さから多くの方に選ばれています。痛みや違和感が少ない点も大きな魅力ですが、その一方で気になるのが治療期間です。

マウスピース矯正の需要は年々高まっており、当院にも「ワイヤー矯正よりも長くかかるって本当ですか?」「できるだけ早く終わらせたい」といったお問い合わせが多数寄せられます。

本記事では、マウスピース矯正が完了するまでにかかる期間について詳しく解説します。長期化させないための注意点もまとめているので、マウスピース矯正を検討中の方はぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正の平均的な治療期間

マウスピース矯正の平均的な治療期間

マウスピース矯正の期間を左右する要素には、歯並びの状態や歯の移動量、マウスピースの装着時間などがあります。

成人と小児でも多少の差があるので、それぞれ分けて平均的な治療期間を解説します。

大人の平均期間

成人のマウスピース矯正の平均的な治療期間は1年半〜3年ほどです。前歯の軽微な乱れを整える部分矯正であれば、数ヶ月〜1年ほどで完了することもあります。

完了後は動かした歯が元に戻るのを防ぐ保定期間が必要で、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着します。保定には通常、治療期間と同じ時間がかかりますが、リテーナーの装着時間は短く済むことが多いです。

子どもの平均期間

小児の歯科矯正は、あごのバランスを整えたり歯の生えるスペースを確保する第一期治療と、本格的に歯を動かしていく第二期治療の2段階に分けられます。

治療期間の平均は第一期が1〜3年、第二期が1年半〜2年半ほどで、合わせて2〜5年かけて完了するのが一般的です。

第一期から第二期へ移行する前提で進めて行きますが、第一期で十分に整えば第二期に進まずに終えられることもあります。小児も後戻りを防ぐための保定期間が必要です。(通常、保定は矯正とほぼ同じ期間行われます)

マウスピース矯正の期間が長期化するケース

マウスピース矯正の期間が長期化するケース

マウスピース矯正は、口腔環境やマウスピース矯正の使用方法によって治療が長期化することがあります。

▼治療が長期化するケース

  • 虫歯や歯周病がある
  • マウスピースの装着時間が不足している
  • 重度の不正咬合である
  • 定期通院ができない

なぜ長くなる可能性があるのか、理由を詳しく見ていきましょう。

虫歯や歯周病がある

歯科矯正を始めるには、歯と歯ぐきが健康であることが前提になります。虫歯がある状態で矯正を始めてしまうと虫歯が悪化する可能性があるためです。

マウスピース矯正を開始する前に虫歯や歯周病が見つかると、矯正前に口腔トラブルの治療を優先しなければなりません

軽度の虫歯はすぐに治療できますが、神経に近い深い虫歯や炎症が強い歯周病は治療に時間がかかります。その分マウスピース矯正のスタートが遅れ、結果として治療期間の長期化につながってしまうのです。

虫歯治療は一度で終わることがほとんどありません。これは、歯を削り詰め物を入れ、歯型を取って被せるという一連の治療が一度で終えられないことや、保険診療の制約があるためです。

マウスピースの装着時間が不足している

マウスピース矯正の効果は、マウスピースをつけている時間によって左右されます。インビザラインは1日20〜22時間の装着が必要であり、守らなければ歯が計画どおりに動かない可能性があります。

マウスピースは食事や外出時に外したままつけ忘れてしまうことが多いです。外出先で外し、そのまま紛失してしまうのもマウスピース矯正のよくある失敗例です。

マウスピース矯正は定期的にマウスピースを交換しますが、装着時間が守れないまま次のマウスピースに進んでしまうと歯の動きにズレが生じることがあります。計画の見直しが必要になれば治療も長期化してしまうでしょう。

重度の不正咬合である

歯並びが大きく乱れ、噛み合わせにも影響がある重度の症例は、治療期間も長くなる傾向があります。

▼不正咬合の例

  • 上顎前突(じょうがくぜんとつ:出っ歯)
  • 下顎前突(かがくぜんとつ:受け口)
  • 叢生(そうせい:歯が重なり合って生えている状態)
  • 開咬(かいこう:上下の前歯が噛み合わない状態)

歯並びだけでなく、骨格のズレを改善する必要がある症例では、マウスピース矯正では対応できず、別の方法が推奨されることもあります。

定期通院ができない

マウスピース矯正では、1〜3ヶ月に1回の定期通院で虫歯の有無やマウスピースが計画通り機能しているかをチェックします。

歯の動きを確認したうえで、必要があればマウスピースの追加作製や噛み合わせの微調整を行います。万が一虫歯があれば治療も必要です。

定期通院の間隔をあけてしまうと、計画と実際の歯の動きにズレが生じることがあります。計画の修正が必要となれば結果として治療期間が延び、費用も追加されることになるのです。

マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらが早く終わる?

マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらが早く終わる?

マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらか一方が優れているということはなく、症例次第でどちらが適しているかが決まります

つまり、歯の状態によってマウスピース矯正の方が適している人もいれば、ワイヤー矯正の方が短期間で終わる人もいます。

マウスピース矯正の方が早く進みやすい例が、前歯の軽い叢生や空隙歯列(くうげきしれつ:すきっ歯)などです。噛み合わせに問題がなく、奥歯を大きく動かす必要がないケースではマウスピース矯正の方が負担が少ない傾向です。

一方、歯の移動量が大きい・骨格のズレを治す必要があるような症例ではワイヤー矯正の方が効率的な場合もあります。

マウスピース矯正は患者様自身での管理が必要であり、装着時間を守らなければ十分な効果は得られません。歯科矯正を早く終わらせるには、歯科医の指示に従い、正しく治療を継続することが大切です。

マウスピース矯正の通院頻度

マウスピース矯正の通院頻度

マウスピース矯正では1〜3ヶ月に1回程度の通院が必要です。治療経過には個人差があり、歯の移動量は装着時間によっても変わるため、定期的なチェックが欠かせません。

▼定期通院で行うこと

  • 歯列や噛み合わせの確認
  • マウスピースのフィット感
  • 虫歯や歯周病の有無
  • マウスピースの追加作製の判断
  • 装着時間の確認など

マウスピース矯正を長期化させない方法

マウスピース矯正を長期化させない方法

マウスピース矯正の効果は装着時間に左右されるため、治療の長期化を避けるには指定された装着時間を守ることが大切です。

食事のために外してそのままつけ忘れることがないよう、スマホアプリなどで管理することをおすすめします。紛失や破損も装着できない期間が発生するため、取り扱いには十分注意してください。

また、マウスピース矯正は虫歯や歯肉炎などの口腔トラブルがあるとその治療を優先しなければなりません。その分治療期間も長くかかってしまうので、矯正中はいつも以上に丁寧なブラッシングを心がけましょう。

マウスピース矯正の値段

マウスピース矯正の値段

マウスピース矯正の費用は、部分矯正か全体矯正かによって大きく異なります。

歯列や噛み合わせを改善する全体矯正の相場は60万〜120万円ほどで、この中には精密検査やマウスピース作製・調整、保定装置などが含まれます。

前歯の軽い重なりやすきっ歯を整える部分矯正の相場は20万〜60万円ほどです。軽度の症例ほど費用が抑えられ、治療期間も短くなる傾向があります。

初回カウンセリングでは、紛失や破損時の対応や支払い方法などもあわせて確認すると安心です。

マウスピース矯正にまつわる質問

マウスピース矯正にまつわる質問

マウスピース矯正の期間について、患者様から多く寄せられるご質問にお答えします。

マウスピースはどれくらいの期間で交換する?

マウスピースは1〜2週間ごとに新しいものへ交換します。交換のスケジュールは歯の動きの状態や通院ペースによって調整します。

マウスピースを半日外しても大丈夫?

指定された装着時間を下回る日が続くと、治療計画に遅れが出たり後戻りするリスクが高くなります。

短時間であれば治療計画にあまり影響はありませんが、やむを得ない理由がある場合は歯科医に相談することをおすすめします。

マウスピースを紛失したらすぐに作ってもらえる?

新しいマウスピースを作製するには数日から1週間ほどかかります。新しいものが届くまでは前のマウスピースを装着するか、次のマウスピースを使用することが多いです。

長期間の未装着は治療の遅れにつながるため、紛失や破損時は速やかに歯科医院へ連絡しましょう。

まとめ

まとめ

マウスピース矯正の治療期間は、歯並びの難易度や移動量、日々の装着時間によって大きく変わります。

前歯だけの軽微な調整であれば数ヶ月で終わることもありますが、全体矯正は1年半から3年ほどかかるのが一般的です。効率よく進めるためには、装着時間を守り、丁寧なブラッシングで虫歯を予防することが大切です。

山之内矯正歯科クリニックでは、インビザラインでのマウスピース矯正を行っております。「マウスピース矯正がしたい」「できるだけ早く終わらせたい」など、患者様のご要望にお答えする治療をご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

前歯だけのマウスピース矯正は可能?メリット・デメリットや費用について

前歯だけのマウスピース矯正は可能?メリット・デメリットや費用について

「前歯のすき間が気になる」「少しだけ歯並びを整えたい」そんなお悩みを解消するのが、前歯のマウスピース矯正です。

前歯だけのマウスピース矯正は、透明な矯正装置を用いるため目立ちにくいメリットがあります。全体矯正よりも治療期間が短く、コストが抑えられる点も大きな魅力です。

本記事では、前歯のマウスピース矯正の適応事例を詳しく解説します。平均的な治療期間や費用、デメリットもまとめているので、前歯のマウスピース矯正を検討中の方はぜひ参考にしてください。

前歯だけのマウスピース矯正は可能?

前歯だけのマウスピース矯正は可能?

結論から申し上げると、前歯だけをマウスピースで矯正することは可能です。前歯は中央の2本(中切歯)から3本目の犬歯を含む範囲を指し、上下左右合わせて計12本が対象になります。

前歯だけのマウスピース矯正は、前歯の小さな乱れを改善したい方におすすめです。ワイヤーを装着する大がかりな矯正ではないので、時間や費用、痛みの面でも患者様の負担が軽減されます。

なお、前歯だけの矯正であってもマウスピースで歯列全体を覆う必要があります。これは、動かす予定のない奥歯も含めて固定し、歯の移動を正確かつ安定的に行うことが目的です。

前歯だけのマウスピース矯正の適応事例

前歯だけのマウスピース矯正の適応事例

前歯だけのマウスピース矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。奥歯の噛み合わせや骨格のバランスに問題がなく、前歯の位置や角度を整えるだけで見た目や機能が改善できるケースが適応となります。

代表的な症例は次の3つです。

  • 空隙歯列
  • 軽度の不正咬合
  • 矯正後の後戻り

それぞれの事例を詳しく解説します。

空隙歯列

歯と歯の間にすき間がある空隙歯列(いわゆるすきっ歯)は、前歯だけのマウスピース矯正で改善できる症例です。

すき間を均等に閉じながら、前歯全体の並びを整えることで自然なラインを作ります。奥歯の噛み合わせを大きく動かす必要がない場合は、短期間(数ヶ月〜半年ほど)での改善も可能です。

すきっ歯が治ると口元全体が引き締まって見える効果も期待できます。

軽度の不正咬合

軽度の歯並びの乱れであれば、前歯だけのマウスピース矯正で改善できることがあります。

ここでいう軽度とは、前歯が少し前に出ている上顎前突(出っ歯)・ねじれている・1〜2本だけ傾いているといった症状を指します。

ただし、歯の移動量が大きいケースや骨格の影響が強い場合は、部分矯正だけでは限界があり、全体矯正やワイヤー矯正の検討が必要です。

矯正後の後戻り

歯科矯正では、治療によって整えられた歯並びが少しずつ動いてしまう「後戻り」という現象が起こることがあります。

前歯がわずかに乱れる程度の後戻りであれば、前歯だけのマウスピース矯正でリカバリーできることが多いです。動かす範囲が限られているため、治療期間は数ヶ月〜1年以内と短く、費用も抑えられます

前歯だけのマウスピース矯正のメリット

前歯だけのマウスピース矯正のメリット

前歯だけのマウスピース矯正には、装置の快適さや見た目、期間と費用など全体矯正にはないメリットがいくつもあります。

  • 負担が少ない
  • 手入れがしやすい
  • 目立ちにくい
  • 費用が安く済むことがある

負担が少ない

マウスピース矯正は一人ひとりの歯列に合わせて製作するため、装着した際のフィット感に優れています

金属ワイヤーのように口内に当たって痛むことが少なく、食事中や会話をしていても快適に過ごせます。部分矯正は歯の移動量も小さいため、痛みや違和感を最小限に抑えながら理想の歯並びに近づけられる点が大きなメリットです。

手入れがしやすい

マウスピースは取り外しができるため、歯磨きやフロスなどのケアがいつも通り行えるのが魅力です。ワイヤー矯正に比べてトラブルが少なく、矯正中も口腔環境を清潔に保てます。

マウスピースは水洗いと洗浄剤の漬け置きで簡単にケアできるうえ、定期的に交換するため汚れやニオイが蓄積しにくいこともうれしいポイントです。

目立ちにくい

透明のマウスピースは装着していても周囲に気づかれにくく、矯正中の見た目を気にする方に最適です。人気のインビザラインは約0.5mmと薄く、近距離でもほとんど目立ちません。

仕事柄、人前に立つ機会が多い方や周囲に矯正していることを知られたくない方にも選ばれています。

費用が安く済むことがある

前歯だけのマウスピース矯正は、全体矯正に比べて歯の移動量や使用するマウスピースの枚数が少なく済みます。その分費用が抑えられる点もメリットです。

短期間で完了するケースは通院の回数も減り、時間的な負担も軽減できます

前歯だけのマウスピース矯正のデメリット

前歯だけのマウスピース矯正のデメリット

前歯だけのマウスピース矯正には、治療の限界や使用上の注意点もあります。

  • 長時間装着しなければならない
  • 噛み合わせが悪化する可能性がある
  • 歯を削る場合がある

ここからはデメリットとなりうる側面を詳しく解説します。

長時間装着しなければならない

マウスピース矯正は1日20〜22時間の装着が必須です。これは部分矯正でも変わりません。

装着時間が不足すると歯が計画通りに動かず、治療期間が延びたりやり直しが必要になることがあります。外出中は一度外すとつけ忘れることもあるため、自己管理ができるかどうかが治療成功の鍵になります。

噛み合わせが悪化する可能性がある

前歯だけを動かす部分矯正では、奥歯の噛み合わせを大きく調整することはしません。そのため、前歯の位置を変えた結果、奥歯の噛み合わせがわずかにずれてしまうことがあります。

噛み合わせが乱れると、食べ物が噛みにくくなったりあごに力が入りにくくなることがあります。このような問題を防ぐため、マウスピース矯正ではシミュレーション分析が必須です。

歯の状態次第では、患者様が前歯だけのマウスピース矯正を希望しても適応がないと判断されることがあります。

歯を削る場合がある

マウスピース矯正では、歯のスペースを確保するために歯のエナメル質をわずかに削る処置(ディスキング/IPR)が必要になることがあります。

削るのはごく少量で、歯の健康に大きな影響はないとされています。しかし、健康な歯を削ることに抵抗がある患者様がいるのも事実です。

IPRが必要かどうかは歯の重なり具合や移動量によって判断されるため、気になる場合は事前に相談しておくと安心です。

前歯だけのマウスピース矯正の費用相場

前歯だけのマウスピース矯正の費用相場

前歯だけのマウスピース矯正の費用相場は20万〜60万円ほどです。この中には、初回カウンセリング・精密検査・マウスピース作製費・治療後に使用する保定装置(リテーナー)などが含まれます。

歯科矯正は自費診療として扱われるため、費用は全額患者様の自己負担となります。クリニックによっては診断料や調整料が別途発生することもあるため、費用項目の内訳を事前に確認することが大切です。

見た目を整えることが目的のマウスピース矯正は、原則として医療費控除の対象外です。しかし、噛み合わせの改善が必要と診断されれば医療費控除の対象になるケースもあります。

前歯だけのマウスピース矯正の治療期間

前歯だけのマウスピース矯正の治療期間

前歯だけのマウスピース矯正の治療期間は3ヶ月〜1年半が目安です。歯並びの乱れが軽度で、歯の移動量が少なく済む場合は2〜6ヶ月ほどの短期間で完了するケースもあります。

マウスピース矯正は1日20〜22時間の装着が必要で、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる原因となります。食事や外出のタイミングで外したまま忘れてしまうことのないよう、患者様ご自身での管理が欠かせません。

まとめ

まとめ

前歯だけのマウスピース矯正は軽度の歯列の乱れに適した矯正方法です。透明で目立ちにくいので、周囲に気づかれにくいメリットがあります。

治療期間や費用も全体矯正に比べて抑えられるケースが多く、気になる部分だけ整えたい方にとって始めやすい選択肢です。

一方で、奥歯の噛み合わせや骨格的な問題がある場合は適応外になることがあり、噛み合わせ悪化のリスクもゼロではありません。前歯だけで治療できるかどうかは、精密検査やシミュレーションでの適切な診断が重要です。

山之内矯正歯科クリニックが目指すのは、見た目と機能性を兼ね備えた歯科矯正です。患者様のご希望に応える治療を提供しておりますので、「マウスピースで前歯だけ整えたい」「痛みの少ない矯正がしたい」という方は、当院までご相談ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

マウスピース矯正の値段は?相場や保険適用について解説

マウスピース矯正の値段は?相場や保険適用について解説

「歯科矯正をするなら目立ちにくいマウスピース型を選びたい」

「費用はどれくらいかかる?」

そんな疑問にお答えするため、本記事ではマウスピース矯正の費用について解説します。保険適用や支払い方法についてもまとめているので、歯科矯正を検討中の方はぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正の費用相場

マウスピース矯正の費用相場

マウスピース矯正の料金体系は、治療に必要な費用をすべて含めて提示する総額制(トータルフィー)であることが多いです。歯科医院の中には、通院のたびに3,000〜5,000円の調整料が発生することもあります。

マウスピース矯正の費用は以下の要素で変動します。

  • 部分矯正または全体矯正
  • 歯の移動量
  • 治療の難易度
  • マウスピースの枚数
  • 追加処置の有無
  • 歯科医院の料金体系

部分矯正と全体矯正に分けて費用相場を見ていきましょう。

部分矯正は20万〜60万円

前歯のねじれやすきっ歯、軽度のガタつきなど、歯列の一部だけを整える部分矯正の費用相場は20万〜60万円程度です。

部分矯正は全体を動かす必要がないため、マウスピースは少ない枚数で済むことが多いです。治療期間も全体矯正と比べて短い傾向にあります。

ただし、患者様には部分的な症状に見えても、実際には噛み合わせ全体の調整が必要となるケースもあります。初回カウンセリングでご要望はお聞きしますが、部分矯正が適切かどうかは検査結果をもとに歯科医と相談しながら決定します。

全体矯正は60万〜120万円

前歯から奥歯、上下すべての歯列を整える全体矯正は60万〜120万円と費用に大きな差があります。その理由は、歯の移動量が多いほど複数のマウスピースを段階的に使い分ける必要があるからです。

▼費用が高くなるケース

  • 奥歯の噛み合わせも含めて矯正する場合
  • スペース不足で抜歯を伴う場合
  • 治療計画の変更が必要になる場合

治療の難易度が高い複雑な症例では100万円以上かかるケースもあります。治療期間は1年半〜3年程度と長期にわたるため、通院ごとにかかる費用も含めてトータルコストを把握しておくことが大切です。

マウスピース矯正の費用の内訳

マウスピース矯正の費用の内訳

マウスピース矯正では、単に装置代だけでなく、診断からメンテナンスまで複数の費用が発生します。ここでは主な内訳とそれぞれの相場を解説します。

カウンセリング・治療前診断:5万~10万円

歯科矯正を希望する患者様に対して、歯科医院ではまずカウンセリングと検査を行います。

顎関節や歯列、頭部のレントゲン写真、歯と顔の写真、歯の模型など、治療計画を立てるのに必要な情報を収集します

検査や分析、診断にかかる費用は1万〜3万円が相場です。歯科医院によってはここにカウンセリング料がかかります。

歯科矯正は虫歯があるとその治療を優先しなければならないので、虫歯治療を行う場合はその分の費用も発生します。

マウスピース製作:10万〜100万円

マウスピースは一人ひとりの歯並びに合わせてオーダーメイドで製作し、少しずつ形が異なるものを順に交換しながら歯を動かしていきます。

軽度であればマウスピースも少なく済むことが多く、費用は10万〜30万円程度が相場です。反対に、治療の難易度が高く、全体矯正が必要なケースではマウスピースだけで60万〜100万円ほどかかることがあります。

計画よりも歯の動きが遅い場合は、再スキャンやマウスピースの追加が行われます。また、治療中は経過観察のため1〜3ヶ月に一度の通院が必要です。

保定装置:1万〜5万円

歯科矯正では、完了後に歯が元の位置に戻らないようにする保定期間を設けます。この間にリテーナーという保定装置を装着し、歯並びを安定させます。

リテーナーは取り外し式と固定式があり、費用は1万〜5万円が相場です。保定期間は数ヶ月〜1年ほどが目安ですが、歯の移動量が大きいと2〜3年ほど保定を続ける患者様もいます。

保定期間中も歯の状態を確認するために定期的な通院が必要となり、通院ごとに診察料として3,000〜5,000円ほどかかることがあります。

マウスピース矯正は保険適用になる?

マウスピース矯正は保険適用になる?

原則として、マウスピース矯正は保険適用外(自費診療)です。治療費は歯科医院ごとに設定され、費用は全額患者様の自己負担となります。

ただし、厚生労働省が定める疾患・条件に該当する場合は保険の対象となることがあります。

▼代表的な保険適用例

  • 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)などの先天異常
  • 顎変形症(がくへんけいしょう)※1
  • 萌出不全(ほうしゅつふぜん)※2に伴う開窓術

口唇口蓋裂は、唇や上あごの一部が生まれつき裂けている先天性の疾患です。あごの発育に影響を及ぼすことから、年齢に合わせて段階的な外科手術と歯科矯正を行います。

顎変形症や萌出不全も、外科手術を伴う症例では歯科矯正が保険適用になります。

ただし、上記の症例でも保険が適用となるのは厚生労働省が指定する医療機関で治療することが条件です。(指定施設は各地域の厚生局サイトで確認できます)

※1…上あごと下あごの形や大きさの異常、咬み合わせの異常、顔の変形などが見られる症状

※2…永久歯が生えてこないこと

参考:公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」

一般社団法人 日本形成外科学会「顎変形症(咬合不全・不正咬合・反対咬合・上顎前突・下顎前突)」

マウスピース矯正の費用の支払い方法

マウスピース矯正の費用の支払い方法

マウスピース矯正は数十万円単位の費用がかかるため、分割払いを希望する方は歯科医院の支払い方法も確認しましょう。

ここでは歯科矯正の支払いで代表的な方法を3つご紹介します。

現金・クレジットカード

現金、またはクレジットカードの一括払いであれば金利や手数料がかかりません。クレジットカードでの分割払いを希望する場合は、事前に利用上限額や分割手数料を確認しておくと安心です。

歯科医院の分割払い

一部の歯科医院では医院独自の分割制度を設けています。この方法はローンの審査がなく、金利や手数料もかからない点がメリットです。

独自分割はすべての医院で利用できるわけではありません。また、分割ルールも医院によって異なります。

利用する場合は、途中解約時の返金対応なども確認しておくと安心です。

当院でもローン・カード会社を通さない分割払いをお受けしておりますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

デンタルローン

マウスピース矯正やインプラントなど、高額になりがちな歯科治療費はデンタルローンを利用して支払うことも可能です。デンタルローンは信販会社が提供するもので、カードローンよりも金利が低めに設定(3〜7%)されていることが多いです。

利用には審査があり、20歳以上で安定した収入がある方が対象となります。未成年の方は保護者名義での契約が必要です。

デンタルローンは費用を数年単位で分割でき、初期費用を抑えたい方に適しています。一方で、金利が発生する分トータルの支払額は増えるため、長期的な返済計画を立てることが大切です。

デンタルローンの支払いシミュレーション例①

  • 申込金額:100万円
  • 金利:5%
  • 支払い回数:30回
  • ボーナス払い:なし
  • 月々の支払い額:35,500円(1回目のみ36,380円)

デンタルローンの支払いシミュレーション例②

  • 申込金額:50万円
  • 金利:7%
  • 支払い回数:24回
  • ボーナス払い:あり(6月・12月に30,000円ずつ)
  • 月々の支払い額:17,300円(1回目のみ19,370円)

マウスピース矯正にまつわる質問

マウスピース矯正にまつわる質問

マウスピース矯正の費用について、患者様から多く寄せられるご質問にお答えします。

マウスピース矯正を安く抑える方法はある?

歯科医院が独自に行うモニター制度に参加できる場合、通常より安く治療を受けられることがあります。モニターは症例写真の提供や経過報告が条件となることが多いようです。

美容目的ではなく、機能改善を目的とした治療であれば医療費控除を利用できる可能性もあります。

前歯だけのマウスピース矯正の値段は?

前歯のでこぼこなど、治療範囲が限定的な部分矯正の場合は20万〜60万円程度が目安です。歯の移動量が少ない軽度の症例では、全体矯正に比べて治療期間も短く済む傾向があります。

マウスピース矯正の値段は年齢で変わる?

マウスピース矯正の費用は矯正範囲や治療の難易度に左右されます。小中学生だから安い、大人は高いといったことはありません

ただし、大人になってから始めるよりも小児のうちからケアする方が総額を抑えられる可能性があります。

マウスピース矯正で追加費用がかかるのはどんな時?

代表的なのはマウスピースの紛失・破損時の再製作や、治療計画の大幅な修正が必要になった場合です。歯科矯正を進めるにあたって必要な処置(虫歯治療など)を行う場合も、別途費用がかかります。

まとめ

まとめ

マウスピース矯正の費用は、部分矯正が20万〜60万円、全体矯正であれば60万〜120万円が相場です。歯並びの状態や治療範囲、治療期間によって大きく異なります。

原則自費診療ではありますが、一部の症例では保険診療になる場合があります。医療費控除を活用すれば、実質的な負担を減らすことも可能です。

歯科矯正は時間とお金がかかるため、見積もりでは総額と内訳、支払い方法をしっかり確認することが大切です。無理のない治療計画で、理想の歯並びを目指していきましょう。

山之内矯正歯科クリニックではインビザラインを用いた歯科矯正を行っております。費用は検査料・診断料・装置料・後戻り防止の保定装置料を含む総額制で、クレジットカードや分割払いに対応しております。

「マウスピース矯正に興味がある」「無理なく支払える方法で始めたい」という方は、お気軽に当院までご相談ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞