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インビザラインの医療費控除の条件とは?対象範囲や申請方法を解説

インビザラインの医療費控除の条件とは?対象範囲や申請方法を解説

インビザラインの治療費、実は確定申告で還付される可能性があるのをご存じですか?条件を満たせば、数万円〜十数万円が戻ることもあります。

ただし、すべての矯正治療が控除の対象になるわけではなく、適用には明確な条件があります。申請にあたっても、対象となる費用や必要書類についての正しい理解が欠かせません。

この記事では、インビザラインが医療費控除の対象になる条件から、申請手続き、失敗しないコツまでをわかりやすく解説します。

インビザラインは医療費控除の対象になるのか?

インビザラインは医療費控除の対象になるのか?

インビザラインの治療費が医療費控除の対象になるかどうかは、実はケースによって異なります。まずは、制度の基本と判断基準について整理しましょう。

医療費控除の基本的な仕組みとは?

医療費控除とは、1年間に一定額以上の医療費を支払った場合に、所得税が軽減される制度です。対象は本人だけでなく、生計を一つにする家族の医療費も含まれます。

具体的には、「その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費の合計額」が基準となり、10万円(または総所得金額等の5%)を超える部分が控除対象になります(上限200万円)。

たとえば、年間で歯列矯正や通院費などを含めて35万円を支払った場合、25万円が控除対象となり、還付される金額は所得税率によって異なりますが、数万円〜10万円程度になることもあります。

参照元:国税庁|No.1120 医療費を支払ったとき

インビザラインが対象になる条件

インビザライン治療でも、「治療目的」であれば医療費控除の対象になります。これは、歯列不正によって「噛み合わせに支障がある」「発音に影響がある」と診断された場合などが該当します。

一方、見た目を良くする「審美目的」の矯正治療は対象外とされます。

治療目的の判断は歯科医の診断に基づき、確定申告の際に「診断書の提出を求められる可能性」があります。

参照元:国税庁|No.1128 医療費控除の対象となる歯科矯正の費用

審美目的と機能回復目的の違い

審美目的とは、単に「見た目を整えたい」「歯並びを綺麗にしたい」という理由で行う矯正のことを指します。

これに対して機能回復目的とは、「噛み合わせの異常」や「発音障害」など、日常生活に支障がある症状を改善するための治療を指します。

医療費控除が適用されるかどうかは、この「目的」によって大きく変わるため、カウンセリング時に「治療目的」であると明確に説明されているか確認しておくことが重要です。

医療費控除で認められる費用と対象外の費用

医療費控除で認められる費用と対象外の費用

医療費控除の対象となるのは、「すべての支出」ではありません。ここでは、対象となる費用・ならない費用の違いについて具体的に解説します。

治療費の内訳で控除対象となるもの

インビザライン治療にかかる費用のうち、「治療に直接必要な費用」は医療費控除の対象になります。具体的には以下のような費用が該当します。

  • 診察料・診断料
  • 装置の作成・調整費用
  • 治療のための抜歯や虫歯治療費
  • 保定装置(リテーナー)にかかる費用

これらはすべて、機能回復を目的とした治療の一環と見なされるため、確定申告時に控除を受けることができます。

交通費・薬代・診断書などの扱い

治療のために通院した場合の公共交通機関の交通費も医療費控除の対象となります。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 自家用車のガソリン代や駐車場代は原則として対象外
  • タクシー代は、やむを得ない場合(深夜・急病など)を除いて対象外
  • 家族が付き添った場合、その家族の交通費も認められるケースあり(ただし条件付き)

また、治療に必要な処方薬の購入費用も控除対象です。薬局での領収書は大切に保管しておきましょう。

なお、治療目的を証明するために必要な診断書の作成費用も控除対象になります。

対象外とされるケースとは?

以下のようなケースは、医療費控除の対象外と判断される可能性が高いです。

  • 審美目的のみの矯正
  • ホワイトニングやクリーニング(美容目的の処置)
  • 装置の紛失による再作成費用
  • 金利や手数料が含まれた分割払いの利息部分

また、支払日が対象年度外の場合、翌年以降の申告対象になるため注意が必要です。契約時の支払スケジュールも確認しておきましょう。

医療費控除を受けるための具体的な手続き

医療費控除を受けるための具体的な手続き

医療費控除を受けるには、正しい手続きを踏むことが必要です。確定申告の準備を始める前に、必要書類や記録のポイントを確認しておきましょう。

申告に必要な書類一覧

医療費控除を受けるには、確定申告時に以下の書類を提出・準備する必要があります。

  • 医療費控除の明細書
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • インビザライン治療に関する領収書
  • 処方箋・薬局の領収書
  • 通院にかかった交通費の記録
  • 支払い内容がわかる契約書や見積書
  • マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類

診断書は必須ではありませんが、治療目的が明確でない場合に税務署から提出を求められる可能性があるため、念のため準備しておくと安心です。

参照元:国税庁|医療費控除に関する手続について

交通費の記録と計算方法

インビザライン治療の通院にかかった電車・バスなどの公共交通機関の費用は、医療費控除の対象となります。申告時に困らないよう、通院日・ルート・金額を忘れずに記録しておきましょう。

最近では、「お薬手帳」アプリなどを使って医療関連の記録をまとめる方も増えています。完全な交通費管理には対応していないものの、通院の履歴や薬代などを一括で把握できるため、確定申告時に役立ちます。

なお、ガソリン代や駐車場代、自家用車の移動は原則として控除対象外です。公共交通機関の利用を優先しましょう。

確定申告の手順と注意点

医療費控除の申請は、毎年2月中旬〜3月中旬の確定申告期間に行います。

パソコンやスマホから「e-Tax(国税庁の電子申告システム)」を使って申請するのが便利です。初めての方にとっては難しく感じるかもしれませんが、手順は大きく3ステップです。

  1. 医療費控除の明細書を作成(Excel入力 or 手書き)
  2. 申告書に入力(e-Tax上または紙で)
  3. 添付資料(源泉徴収票やマイナンバーなど)を提出

最近では、マイナンバーカードとスマホがあれば、郵送不要で完結できるケースも増えています。

「控除と聞くと難しそう…」と感じる方も、一度流れを掴めば思ったより簡単ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

どれくらい戻る?医療費控除の還付金シミュレーション

どれくらい戻る?医療費控除の還付金シミュレーション

医療費控除で実際にどのくらいの還付金が得られるのか、気になる方も多いはずです。ここでは、具体的な計算方法と目安をご紹介します。

医療費控除で戻ってくる金額(=所得税の還付額)は、以下の計算式で大まかに予測できます。

医療費控除額 =(支払った医療費 - 保険金等の補填額 - 10万円 or 所得の5%)

この控除額に対して、あなたの所得税率をかけた金額が、実際に戻ってくる「還付額」の目安です。

たとえば…

  • 年間の医療費(インビザライン含む):40万円
  • 所得:500万円(所得税率は20%)
  • 控除額:40万円 − 10万円 = 30万円
  • 還付金:30万円 × 20% = 6万円

ただし、所得税率は収入によって異なるため、還付額も人によって変わります。給与所得者の場合は「源泉徴収票」に記載された「課税所得」をもとに確認できます。

また、医療費控除には上限(200万円)がある点にも注意してください。

過去の治療費も取り戻せる?5年遡れる制度とは

医療費控除は、その年の確定申告期間を過ぎてしまっても、最大5年までさかのぼって申告することが可能です。

これは「更正の請求」という制度で、以前に支払った医療費が控除対象だったにもかかわらず、申告し忘れた場合などに使えます。

たとえば、数年前にインビザライン治療を始めていて、当時は医療費控除のことを知らなかった方でも、条件を満たせば今から申告できる可能性があります。

ただし、当時の領収書や契約書などの記録が残っていることが前提となるため、今後の治療費も含めて、書類はきちんと保管しておくことが大切です。

インビザライン医療費控除で失敗しないための注意点

インビザライン医療費控除で失敗しないための注意点

制度を活用するうえで、見落としやすいポイントもいくつかあります。スムーズな申告のために、事前に押さえておきたい注意点をまとめました。

診断書が必要になるケースとは?

インビザライン治療が医療費控除の対象になるかどうかは、「治療目的」であることを証明できるかどうかが重要なポイントです。この証明として、税務署から診断書の提出を求められることがあります。

たとえば、「噛み合わせに異常があり、生活に支障があるための矯正治療」といった内容が明記されていれば、治療目的と認められやすくなります。

診断書はすべてのケースで必須ではありませんが、心配な方は歯科医院で事前に相談しておくと安心です。

当院でも、必要に応じて診断書の作成に対応しておりますので、ご不安な方はお気軽にお申し付けください。

申告書類の準備でよくある落とし穴

医療費控除の申請には、「医療費控除の明細書」を提出します。

このとき、治療費の内訳や支払先を正確に記載する必要があるため、領収書や契約書をきちんと保管しておきましょう。

また、以下の点も意外と見落とされがちです。

  • 通院交通費の記録が不十分
  • 家族の分も含めた合算を忘れる
  • 支払いが分割で、年度をまたいでいる(その年に支払った分だけが対象)
  • 領収書の提出は不要だが、5年間の保存義務がある

申告時に慌てないよう、治療スタート時点から情報を整理しておくのがおすすめです。

こんな勘違いに注意!よくあるQ&A

こんな勘違いに注意!よくあるQ&A

Q.医療費控除は年末調整では対応できない?

年末調整では医療費控除はできません。必ず自分で確定申告が必要です。

会社員の方によくある誤解ですが、医療費控除は年末調整の対象外です。

給与所得者であっても、医療費控除を受けるには、ご自身で税務署へ申告するか、e-Taxでの手続きが必要になります。

Q.インビザラインの費用を分割払いにしたけど、全部控除できる?

分割手数料や利息は対象外、治療費そのもののみ控除対象です。

クレジットカード払いやデンタルローンなどを利用した場合、分割での支払いになることがあります。この場合でも、治療費そのものは控除対象ですが、分割時に発生する金利や手数料は対象外です。

Q.家族の医療費はそれぞれが申告しないといけない?

生計を一にする(同一生計の)家族の分は、まとめて一人が申告できます。

たとえば、子どもの矯正治療費を親が支払った場合、その金額を親の医療費としてまとめて申告できます。

このとき、還付金を多く受け取れる可能性のある人(所得が高い人)を申告者に選ぶと、節税効果が大きくなります。

まとめ

まとめ

インビザラインの治療費は、条件を満たせば医療費控除の対象となります。ただし、審美目的と治療目的の違いや、書類の準備・申請手順には注意が必要です。

この記事では、対象となる費用や申告の流れ、そして診断書や交通費の取り扱いについても詳しく解説しました。

少し手間はかかりますが、数万円〜数十万円が還付される可能性もある制度ですので、ぜひ正しく理解して活用しましょう。

なお、ご自身のケースが控除対象になるか不安な方は、歯科医院や税理士に相談するのが安心です。

当院でも診断書の発行や医療費控除に関するご相談を承っておりますので、お気軽にお声がけください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

インビザラインの流れ – 初診から保定期間までの治療ステップ

インビザラインの流れ - 初診から保定期間までの治療ステップ

インビザライン治療は、初診から治療完了まで複数のステップを経て進みます。しかし、「どんな流れで治療が進むのか」「各ステップでどのくらいの期間がかかるのか」を事前に知らないまま始めると、不安を感じることがあります。

この記事では、インビザライン治療の初診から保定期間まで、8つのステップに分けて詳しく解説します。

各ステップの所要期間や通院頻度、治療をスムーズに進めるためのポイントもご紹介しますので、これからインビザライン治療を検討される方の参考になれば幸いです。

インビザライン治療の8つのステップ

インビザライン治療の8つのステップ

インビザライン治療は、初診カウンセリングから保定期間まで、大きく8つのステップに沿って進みます。ここでは、各ステップで何が行われるのか、所要時間はどのくらいかを解説します。

ステップ1:初診・無料カウンセリング

初診では、患者様の歯並びに関するお悩みや治療へのご希望を詳しくお伺いします。口腔内を拝見し、インビザライン治療が適応可能かどうかの簡易診断を行います。同時に、予測される治療期間や費用の概算についてもご説明いたします。

この段階では治療を開始する必要はなく、まずは情報収集として気軽にご相談いただけます。インビザライン治療のメリットだけでなく、装着時間の管理が必要なことなど、デメリットについても正直にお伝えします。

所要時間は30分〜1時間程度です。

ステップ2:精密検査

インビザライン治療を希望される場合、次に精密検査を行います。虫歯や歯周病の有無を確認する口腔内検査、セファロレントゲン撮影、口腔内や顔貌の写真撮影などを行います。

口腔内3Dスキャナーを使用して、歯型のデジタルデータを採取します。従来のシリコン印象材を使った型取りと異なり、嘔吐反射が起きにくく、数分で完了します。精密検査には1時間程度のお時間をいただきます。

なお、検査の結果、虫歯や歯周病が見つかった場合は、矯正治療を開始する前にこれらの治療を優先して行います。

ステップ3:治療計画の立案とシミュレーション

精密検査の結果をもとに、担当医が治療計画を立案します。インビザライン専用の3Dシミュレーションソフトウェア「クリンチェック」を使用し、現在の歯並びから治療後の理想的な歯並びまで、歯がどのように移動していくのかを3D画像で確認できます。

シミュレーションの内容については、患者様と一緒に画面を見ながら詳しくご説明いたします。ご希望があれば、治療計画を修正することも可能です。この段階で、正確な治療期間や費用についてもお伝えいたします。

ステップ4:マウスピース(アライナー)の発注・製作

治療計画にご同意いただけましたら、アメリカのアライン・テクノロジー社にマウスピース(アライナー)の製作を発注します。発注から到着までは通常1ヶ月〜1ヶ月半程度のお時間をいただきます。

インビザラインのアライナーは、治療終了までに必要な全ての枚数が一度に製作されます。症例によって10〜60枚以上のアライナーを使用します。

ステップ5:治療開始・アタッチメントの装着

アライナーが到着しましたら、いよいよ治療開始です。初回の来院では、アライナーの正しい装着方法と取り外し方を丁寧にご説明し、実際に練習していただきます。

多くの症例では、アタッチメントと呼ばれる小さな突起を歯の表面に装着します。アタッチメントは歯と同じ色の樹脂製で、アライナーとアタッチメントがしっかりと噛み合うことで、歯を効果的に移動させることができます。

初回来院時には、次回来院までに使用するアライナーを数枚お渡しします。アライナーは1日20時間以上装着し、2週間ごとに新しいものに交換していただきます。所要時間は1時間程度です。

ステップ6:定期的な経過観察

治療開始後は、1〜3ヶ月に1回のペースで定期的にご来院いただき、治療の進捗状況を確認します。アライナーと歯の適合状態、アタッチメントの状態、装着時間や交換頻度が守られているか、口腔内の衛生状態などをチェックいたします。

ワイヤー矯正と比較すると、通院頻度が少なく、1回あたりの診療時間も10〜20分程度と短いことが特徴です。

ステップ7:追加矯正(リファインメント)の判断

計画していた全てのアライナーを使い終えた段階で、治療結果を評価します。多くの場合、シミュレーション通りに歯が移動していますが、実際の歯の動きには個人差があり、わずかなズレが生じることもあります

このズレの程度によっては、追加矯正(リファインメント)が必要になる場合があります。リファインメントでは、もう一度口腔内をスキャンし、微調整用の追加アライナーを製作します。

ステップ8:保定期間への移行

歯が計画通りに並びましたら、歯を動かす治療は終了です。しかし、矯正治療で動かした歯は、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こります。これを防ぐため、リテーナー(保定装置)を装着していただきます。

保定期間の初期は、1日のほとんどの時間リテーナーを装着していただきます。徐々に装着時間を減らしていき、最終的には就寝時のみの装着となります。

各ステップの所要期間と通院頻度

各ステップの所要期間と通院頻度

治療開始までにかかる期間

初診から治療開始までは、順調に進んだ場合で最短1ヶ月半〜2ヶ月程度かかります。内訳は、精密検査と治療計画立案に1〜2週間、アライナーの製作・輸送に1ヶ月〜1ヶ月半です。

虫歯や歯周病の治療、親知らずの抜歯が必要な場合は、さらに期間が延びることがあります。治療開始を希望される時期が決まっている方は、余裕を持って早めにご相談されることをおすすめします。

治療期間中の通院ペース

インビザライン治療の大きな特徴が、通院頻度の少なさです。一般的な通院ペースは1〜3ヶ月に1回程度で、1回の診療時間は10〜20分程度と短いため、お仕事の合間に通院される方も多くいらっしゃいます。

ただし、通院頻度は症例の複雑さや治療の進行状況によって調整することがあります。

保定期間の目安

保定期間は矯正治療にかかった期間と同程度、一般的に2年程度が目安となります。保定期間中は3〜6ヶ月に1回程度の頻度でご来院いただき、歯並びの安定状態を確認します。

より確実に歯並びを維持するため、保定期間が終了した後も就寝時にリテーナーを装着し続けることを推奨しています。終了期間は自己判断せず、医師と相談しながら決定しましょう。

内部リンク:インビザライン 保定期間

インビザライン治療前に必要な準備

インビザライン治療前に必要な準備

虫歯・歯周病の治療

インビザライン治療を開始する前に、虫歯や歯周病がある場合は必ず治療を完了させる必要があります。なぜなら、矯正治療中は歯が動くため、虫歯や歯周病があるとさらに悪化するリスクが高まるからです。

精密検査の段階でこれらの問題が見つかった場合は、矯正治療の開始前に治療を行います。軽度の虫歯であれば数回の通院で治療が完了しますが、歯周病が進行している場合は、数ヶ月かかることもあります。

口腔内を健康な状態に整えてから矯正治療を行うことで、治療をスムーズに進めることができます。

親知らずの抜歯が必要なケース

親知らずが生えている、または斜めに埋まっている場合、歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要になることがあります。特に、親知らずが他の歯を押して歯並びを悪化させている場合や、治療後の後戻りの原因になる可能性がある場合は、抜歯を推奨します。

親知らずの抜歯は、症例によっては口腔外科での処置が必要になることもあります。抜歯後は1〜2週間程度の回復期間を経て、インビザライン治療を開始します。

治療をスムーズに進めるための4つのポイント

治療をスムーズに進めるための4つのポイント

インビザライン治療を計画通りに進め、理想的な歯並びを手に入れるためには、患者様ご自身の協力が不可欠です。以下の4つのポイントを守ることで、治療期間の延長を防ぎ、良好な結果を得ることができます。

1.1日20時間以上の装着時間を守る

インビザライン治療で最も重要なのが、1日20時間以上の装着時間を守ることです。食事と歯磨きの時以外は常に装着するとお考えください。

装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かず、次のアライナーがフィットしなくなります。その結果、治療期間が延びたり、追加のアライナーが必要になったりする可能性があります。

スマートフォンのアラーム機能などを活用し、食後に装着し忘れないよう工夫することをおすすめします。

2.マウスピース交換を確実に行う

アライナーは、担当医の指示通りのタイミングで交換することが重要です。一般的には1〜2週間ごとの交換となります。

早すぎる交換も遅すぎる交換も、どちらも治療計画に悪影響を及ぼします。交換日をカレンダーやスマートフォンに記録し、確実に守るようにしてください。

3.定期通院を欠かさない

インビザラインは通院頻度が少ない治療法ですが、定期的な通院は治療成功の鍵となります。1〜3ヶ月に1回の通院時には、治療の進捗状況を確認し、計画通りに歯が動いているかをチェックします。

通院を怠ると、問題が生じていても早期に発見できず、大きなトラブルにつながる可能性があります。お仕事やご家庭の都合で通院が難しい場合は、事前にご相談いただければ、スケジュールを調整いたします。

4.口腔内を清潔に保つ

インビザライン治療中は、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧な口腔ケアが必要です。アライナーを装着している時間が長いため、食後の歯磨きを怠ると、歯とアライナーの間に細菌が繁殖しやすくなります。

食事の後は必ず歯磨きをしてからアライナーを装着してください。また、アライナー自体も毎日洗浄し、清潔に保つことが大切です。歯ブラシと水、または専用の洗浄剤を使用して、優しく洗ってください。

虫歯や歯周病が悪化すると、治療を中断せざるを得なくなることもあります。

治療期間中によくある疑問と対処法

治療期間中によくある疑問と対処法

マウスピースが合わなくなった場合

アライナーが歯にフィットしなくなった場合は、装着時間不足や交換タイミングが早すぎることが原因です。現在のアライナーをもう数日間使用し、改善しない場合はすぐにクリニックにご連絡ください。

装着時間が守れなかった場合

1日20時間以上の装着時間を守ることが治療成功の鍵です。装着時間が不足した場合は、次のアライナーへの交換を数日遅らせて調整します。

定期検診時に装着状況を正直にお伝えください。

痛みや違和感がある場合

新しいアライナー交換直後の軽い痛みや違和感は正常な反応で、通常2〜3日で落ち着きます。1週間以上痛みが続く場合は、すぐにクリニックにご連絡ください。

まとめ

まとめ

インビザライン治療は、初診から保定期間まで8つのステップを経て進みます。治療期間は一般的に1年半〜2年半程度、通院頻度は1〜3ヶ月に1回程度です。

治療を成功させるために最も重要なことは、1日20時間以上の装着時間を守ること定期的な通院を欠かさないことです。インビザラインは患者様ご自身による装置の管理が必要な治療法のため、主体的に取り組んでいただくことが大切です。

また、治療開始前の虫歯や歯周病の治療、治療中の口腔内の清潔維持も、スムーズな治療進行には欠かせません。何か疑問や不安がある場合は、遠慮なく当院にご相談ください。

当院では、初診カウンセリングから治療完了まで、患者様一人ひとりに寄り添ったサポートを行っています。インビザライン治療にご興味をお持ちの方は、まずはお気軽に無料カウンセリングにお越しください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

インビザライン治療後の保定期間はどのくらい?費用・リテーナーの装着時間・注意点まで解説

インビザライン治療後の保定期間はどのくらい?費用・リテーナーの装着時間・注意点まで解説

インビザライン治療が終わり、きれいな歯並びを手に入れたら、もう装置は必要ないと思われるかもしれません。しかし実際には、治療後の「保定期間」が美しい歯並びを維持するために非常に重要です。

インビザライン治療後の保定期間は、一般的に2〜3年が目安とされています。治療直後は1日20時間以上の装着が必要ですが、段階的に装着時間は短縮され、最終的には夜間のみの装着で維持できるようになります。

この記事では、保定期間の目安、リテーナーの装着時間、費用、注意点まで詳しく解説します。せっかく整えた歯並びを長く維持するために、ぜひ参考にしてください。

インビザライン治療後に保定期間が必要な理由

インビザライン治療後に保定期間が必要な理由

インビザライン治療が終わっても、すぐに装置を外せるわけではありません。矯正治療後の歯は非常に不安定な状態にあり、何もしなければ元の位置に戻ろうとします。この現象を「後戻り」といいます。

治療終了直後は、移動した歯の周囲の骨や歯茎がまだ完全に固まっていないため、数週間から数ヶ月で歯が元の位置に戻り始めることがあります。特に治療終了後6ヶ月間は後戻りが起こりやすい時期です。

保定期間は、この不安定な時期に歯を固定し、新しい歯並びを定着させるための重要な期間です。

インビザラインの保定期間はどのくらい?

インビザラインの保定期間はどのくらい?

一般的な保定期間の目安は2〜3年ですが、これはあくまで最低限の期間です。矯正治療で歯を動かした期間と同程度か、それ以上が必要になることが一般的です。

実際の保定期間は個人の状態によって異なります。治療前の歯並びの状態により、重度の叢生(そうせい:歯が前後に重なるガタガタになっている歯並び)や出っ歯だった場合は、より長期の保定が必要です。年齢も重要で、若い方は歯が動きやすいため、後戻りも起こりやすい傾向があります。

また、舌で前歯を押す癖や口呼吸などの口腔習癖があると、より長期の保定が必要になることがあります。

保定期間中のリテーナー装着時間

保定期間中のリテーナー装着時間

保定期間中のリテーナー装着時間は、段階的に変化していきます。装着時間の調整は、必ず歯科医師の指示に従って行ってください。自己判断で装着時間を短くすると、後戻りのリスクが高まります。

治療直後〜1年目:1日20時間以上

治療終了直後から最初の1年間は、1日20時間以上のリテーナー装着が必要です。食事と歯磨き以外はほぼ常に装着している状態になります。

この期間は最も後戻りが起こりやすい時期です。リテーナーの装着を数日サボっただけでも、歯が動き始めることがあります。「1週間リテーナーをつけ忘れたら、リテーナーがきつくなった」という経験をされる方も少なくありません。

1年目以降:段階的に短縮し夜間のみへ

保定開始から1年が経過し、歯の状態が安定してきたら、装着時間を徐々に短縮していきます。1年〜1年半頃は12〜16時間程度、1年半〜2年頃には夜間のみ(8時間程度)の装着で十分になることが多いです。

2年以降は、週に2〜3回の夜間装着で維持できるようになることもあります。ただし、実際の装着時間の調整は、定期検診での歯科医師の判断に基づいて行われます。

保定期間中に使用するリテーナーの種類

保定期間中に使用するリテーナーの種類

保定期間中に使用するリテーナーには、大きく分けて3つのタイプがあります。

タイプ見た目取り外しメンテナンス費用目安
マウスピース透明で目立たない可能簡単3〜6万円
ワイヤー裏側で目立たない不可やや難3〜5万円
プレート表側で目立つ可能簡単3〜5万円

リテーナーの初期費用は、種類や歯科医院により異なりますが、一般的に3万円〜6万円程度が目安です。その他、定期的な検診料(1回3,000円〜6,000円程度)や、紛失・破損時の再製作費用が必要になる場合があります。

マウスピースタイプ(ビベラリテーナー)

マウスピースタイプは透明で目立ちにくく、取り外しが可能なリテーナーです。インビザライン専用のビベラリテーナーは、動的治療で使用するマウスピースより約3割強度が高く、耐久性に優れています

食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔ケアがしやすく、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。また、ホワイトニング用のトレーとしても使用できるメリットがあります。ただし、強く噛みしめると破損する可能性があるため、注意が必要です。

ワイヤータイプ(固定式リテーナー)

ワイヤータイプは歯の裏側に細いワイヤーを接着する固定式のリテーナーです。取り外しができないため、24時間保定効果を保つことができます

歯の裏側に装着するため目立ちにくく、装着し忘れる心配がありません。

一方で、取り外しができないため歯磨きがしにくく、フロスの使用も制限されます。しっかりとした口腔ケアを行わないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

プレートタイプ

プレートタイプは、プラスチックのプレートとワイヤーを組み合わせた取り外し式のリテーナーです。歯の表側はワイヤーで、裏側はプレートで歯を押さえて後戻りを防ぎます。

取り外しができるため清掃しやすい反面、表側にワイヤーがあるため目立ちやすい点がデメリットです。現在は、より審美性の高いマウスピースタイプが選ばれることが多くなっています。

インビザライン治療後に後戻りが起こる原因

インビザライン治療後に後戻りが起こる原因

保定期間中に適切なケアを行わないと、後戻りが起こる可能性があります。後戻りを防ぐためには、原因を理解しておくことが重要です。

リテーナーの装着不足

後戻りの最も多い原因は、リテーナーの装着時間を守れていないことです。「少しぐらい大丈夫」と思って装着をサボると、歯は少しずつ動き始めます。

特に治療直後の1年間は、指示された装着時間を厳守することが重要です。装着時間が不足すると、リテーナーが合わなくなり、作り直しが必要になることもあります。

舌癖や口呼吸などの悪習癖

舌で前歯を押す癖、口呼吸、爪を噛む癖、頬杖をつく癖などの悪習癖は、歯に持続的な圧力をかけるため後戻りの原因になります。

これらの癖は無意識のうちに行っていることが多いため、意識的に改善する必要があります。矯正治療中から癖の改善に取り組むことで、保定期間中の後戻りリスクを減らすことができます。

歯周病や虫歯

歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて歯が動きやすくなります。また、虫歯が進行して抜歯が必要になると、隣接する歯が傾いて歯並びが乱れる可能性があります。

保定期間中も定期的な歯科検診を受け、口腔ケアをしっかり行うことで、歯周病や虫歯を予防することが大切です。

親知らずによる歯列の乱れ

矯正治療後に親知らずが生えてくると、歯列が前方へ押し出されて後戻りが生じることがあります。特に親知らずが斜めに生えてくると、前の歯に強い圧力がかかります。

親知らずが生えてきそうな場合は、歯科医師と相談して抜歯を検討することも必要です。

保定期間中の注意点

保定期間中の注意点

保定期間中は、後戻りを防ぐためにいくつかの注意点があります。これらを守ることで、美しい歯並びを長期的に維持することができます。

装着時間を守る

繰り返しになりますが、保定期間中は、歯科医師の指示通りの装着時間を厳守することが最も重要です。特に治療直後の1年間は、装着時間が不足すると後戻りのリスクが高まります。

自己判断で装着時間を短くせず、定期検診で許可が出るまでは指示通りに装着しましょう。

食事の際は外す

取り外し可能なマウスピースタイプのリテーナーを使用する場合は、食事の際に必ず外してください。リテーナーを装着したまま食事をすると、破損や変形の原因になります。

破損・変形したリテーナーは保定装置として機能せず、後戻りを起こすリスクが高まります。また、食事を終えたら歯磨きをしてからリテーナーを装着しましょう。

リテーナーを清潔に保つ

リテーナーは長時間口の中に装着するため、汚れがたまりやすく、不衛生な状態が続くと虫歯や歯周病のリスクが高まります。食事や歯磨きのときに外したら、リテーナーのお手入れも忘れずに行いましょう。

リテーナーを洗う際は、水またはぬるま湯を使用してください。熱湯を使用すると変形する可能性があります。また、定期的にリテーナー専用の洗浄剤を使用することで、目には見えない汚れやにおいを除去できます。

定期検診を受ける

保定期間中も、3〜6ヶ月に1回程度の定期検診を受けることが重要です。定期検診では、後戻りを起こしていないか、虫歯や歯周病になっていないか、リテーナーの状態に問題がないかを確認します。

トラブルを早期に発見できれば、大きな問題になる前に対処できます。定期検診を怠らず、歯並びの安定を図りましょう。

保定期間中のトラブルと対処法

保定期間中のトラブルと対処法

保定期間中には、さまざまなトラブルが起こることがあります。適切に対処することで、後戻りを防ぎ、美しい歯並びを維持できます。

リテーナーを数日間忘れた場合

リテーナーの装着を数日間忘れてしまった場合は、すぐにリテーナーを装着してください。装着時にきつく感じたり、痛みがある場合は、歯が動き始めている可能性があります。

無理に装着せず、早めに歯科医師に相談しましょう。放置すると後戻りが進行し、リテーナーが合わなくなることがあります。場合によっては、リテーナーの作り直しや、再矯正が必要になることもあります。

リテーナーがきつい・入らない場合

リテーナーがきつく感じたり、入らなくなった場合は、歯が動いている可能性が高いです。無理に装着すると歯や歯茎を傷つける恐れがあるため、すぐに歯科医師に相談してください。

早期に対処すれば、マウスピースの調整やリテーナーの作り直しで対応できることが多いです。自己判断で放置すると、後戻りが進行してしまいます。

リテーナーが破損した場合

リテーナーが破損した場合は、速やかに歯科医院に連絡して作り直しを依頼してください。微細なヒビや端がわずかに欠けた程度であれば、そのまま使用しても問題ないケースもありますが、自己判断は危険です。

リテーナーの機能が低下するほどの破損が生じた場合、歯の位置が変わってしまうリスクが高くなります。破損に気づいたら、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。

よくある質問

よくある質問

保定期間に関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q.保定期間終了後はリテーナーを完全に外せる?

保定期間終了後は、リテーナーの装着頻度を大幅に減らすことができます。ただし、歯は生涯を通じて少しずつ動く傾向があるため、完全に外すよりも、週に2〜3回程度、就寝時に装着し続けることが理想的です。

これにより、後戻りを防ぎ、きれいな歯並びを長期的に維持できます。保定期間終了後の対応については、歯科医師と相談して決めましょう。

Q.保定期間中にホワイトニングはできる?

マウスピースタイプのリテーナーを使用している場合、ホームホワイトニングが可能です。ビベラリテーナーなどのマウスピースタイプは、ホワイトニング用のトレーとしても活用できます。

オフィスホワイトニングも、リテーナーを外して施術を受けることができます。ホワイトニングを希望される場合は、歯科医師に相談してください。

Q.他院で治療を受けた場合も相談できる?

他院で矯正治療を受けた方のリテーナー相談や作製も可能です。リテーナーが破損した、合わなくなった、紛失したなどのトラブルがあれば、お気軽にご相談ください。

当院では、他院で治療された方のリテーナーにも対応しております。保定期間中のサポートもしっかり行いますので、ご安心ください。

まとめ

まとめ

インビザライン治療後の保定期間は、美しい歯並びを維持するために非常に重要な期間です。一般的な保定期間の目安は2〜3年ですが、個人の状態によって異なります。

治療直後から1年間は1日20時間以上のリテーナー装着が必要ですが、歯の状態が安定してくると装着時間は徐々に短縮され、最終的には夜間のみの装着で維持できるようになります。保定期間中は、装着時間を守る、リテーナーを清潔に保つ、定期検診を受けるなどの注意点をしっかり守りましょう。

当院では、インビザライン治療後の保定期間もしっかりサポートいたします。他院で治療された方のリテーナー相談にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

インビザラインの外し方【保存版】変形・破損を防ぐ基本手順

インビザラインの外し方【保存版】変形・破損を防ぐ基本手順

インビザライン治療を始めたばかりの方から、「マウスピースが思ったより固くて外れない」「間違った方法で壊してしまわないか不安」というお声をよくお聞きします。

マウスピース(アライナー)の正しい外し方を知らないと、変形や破損の原因となり、治療計画に影響が出る可能性があります。

この記事では、矯正歯科医の視点から、インビザラインのマウスピースを安全に取り外すための正しい手順とコツを詳しく解説します。

インビザラインのマウスピースを正しく外さないとどうなる?

インビザラインのマウスピースを正しく外さないとどうなる?

インビザラインのマウスピースは、「SmartTrack(スマートトラック)」という特殊な素材でできています。

この素材は弾力性としなやかさがあり、他のマウスピース矯正と比べて着脱しやすい特徴がありますが、間違った外し方を繰り返すと、変形・破損・アタッチメント脱離といったトラブルが発生し、治療計画に影響が出る可能性があります。

治療を成功させるためには、正しい外し方を身につけることが非常に重要です。ここでは、不適切な外し方によって起こりうる3つの主なトラブルについて解説します。

マウスピースが変形する

無理な力を加えたり、間違った方法で外したりすると、マウスピースが変形してしまうことがあります。特に、前歯から外そうとしたり、片側だけ外して半円を描くように引っ張ったりすると、変形しやすくなります。

マウスピースが2mm以上浮いている場合は、変形している可能性が高いため、すぐに担当医にご相談ください。

マウスピースが破損する

マウスピースは薄いプラスチック素材でできているため、一点に強い力が集中すると簡単に破損してしまいます。

破損のリスクが特に高いのは、一気に引っ張って外そうとした場合や、爪で強く引っ掻いた場合です。また、交換したばかりの新しいマウスピースは、まだ歯にしっかりとフィットしているため、慣れていない力加減で外そうとすると破損しやすくなります。

アタッチメントが取れる

アタッチメントとは、歯の表面に装着される小さな突起物のことで、マウスピースの効果を高めるために重要な役割を果たします。

表面側(外側)から無理に外そうとしたり、半円を描くように外したりすると、アタッチメントに過度な力がかかり、脱離してしまいます。

もしアタッチメントが取れてしまった場合は、速やかにクリニックに連絡してください。

インビザラインの正しい外し方【基本の3ステップ】

インビザラインの正しい外し方【基本の3ステップ】

マウスピースを安全に外すには、正しい順番と方法を守ることが最も重要です。

ここでは、ステップ方式で正しい外し方を説明します。

治療開始直後は慣れないため時間がかかるかもしれませんが、数日で慣れてスムーズに外せるようになります。焦らず、鏡を見ながらゆっくりと練習しましょう。

ステップ1:片側の奥歯から外す

まず、左右どちらか一方の奥歯から外します。歯の内側(舌側)に人差し指を入れ、マウスピースと歯の境目に爪を引っかけます。下顎の場合は真上に、上顎の場合は真下に向かって、ゆっくりと力を加えます。

マウスピースが浮いてくるのを確認したら、奥歯の上にマウスピースが乗るくらいまで浮かせましょう。ここまで浮かせると、次のステップが非常に楽になります。

爪が引っかかりにくい場合は、爪の角度を少し変えて試してみてください。

【治療開始直後の方への注意点

治療を始めたばかりの時期は、歯並びのガタつきが強く、マウスピースの形状が複雑なため外れにくいことがあります。これは正常なことですので、無理せず丁寧に外しましょう。治療が進んで歯並びが整ってくると、徐々に外しやすくなります。

鏡を見ながら行うと、マウスピースの位置が確認しやすく、正確に爪を引っかけることができます。慣れるまでは必ず鏡の前で行うことをおすすめします。

ステップ2:反対側の奥歯を外す

最初に外した側と同じ要領で、反対側の奥歯も外します。内側から爪を引っかけ、ゆっくりと浮かせて、両側の奥歯が浮いた状態になったことを確認してください。

片側の奥歯だけを外した状態で前歯を外そうとすると、前歯に強い力がかかってしまいます。前歯は奥歯に比べて薄く、欠けやすいため、必ず両側の奥歯を先に外すことが重要です。

この段階では、まだマウスピース全体は外れません。前歯部分でつながっている状態ですが、これが正しい状態です。焦らず、次のステップに進みましょう。

ステップ3:前歯部分を外す

両側の奥歯が外れたら、最後に前歯部分を外します。両手の親指と人差し指でマウスピースの前歯部分をつまみ、外側と内側から挟むようにして持ちます。

下顎の場合は上方向に、上顎の場合は下方向に、ゆっくりと引っ張ります。勢いをつけて一気に外すのではなく、優しく、徐々に力を加えていくことがポイントです。両手でバランスよく力を加えることで、マウスピースへの負担を最小限に抑えられます。

前歯だけでなく、犬歯付近も一緒につまむと、より安全に外すことができます。マウスピース全体が外れたら、正しく外せた証拠です。お疲れ様でした。

マウスピースを安全に外す4つのコツ

マウスピースを安全に外す4つのコツ

基本の3ステップをマスターしたら、次は「やってはいけないこと」を確認しましょう。以下の4つのポイントを守ることで、マウスピースの変形や破損を防ぐことができます。

1.必ず奥歯から外し、前歯から外さない

前歯から外したり、片側の奥歯→前歯→反対側の奥歯の順に外したりすると、マウスピースに不均等な力がかかり、破損や変形の原因となります。

必ず「左右の奥歯→前歯」の順番を守りましょう。

2.表面側(外側)から外さない

マウスピースを外す際は、必ず内側(舌側)から爪を引っかけて外してください。

外側から外そうとすると、マウスピースが破損しやすく、アタッチメントも取れやすくなります。また、歯茎や口腔粘膜を傷つける可能性もあります。

3.アタッチメント部分は舌側から慎重に外す

アタッチメント(歯の表面に装着された突起)がある歯の周辺は、特に慎重に扱いましょう。

アタッチメントは前歯・奥歯を問わず、必ず内側から外してください。外側から引っかけるとアタッチメントが取れやすくなります。凹凸に強く引っかかっている場合は、マウスピースを少し広げるようにして外すとスムーズです。

4.一気に外さず、ゆっくり段階的に外す

焦って一気に外そうとすると、必要以上に強い力がマウスピースにかかります。各ステップを焦らずひとつずつ丁寧に行いましょう。

慣れてくれば、丁寧に外しても1分程度で完了するようになります。

インビザラインの外し方でよくあるトラブルと対処法

インビザラインの外し方でよくあるトラブルと対処法

インビザライン治療中は、マウスピースの外し方に関してさまざまなトラブルに遭遇することがあります。ここでは、患者様からよくご相談いただく4つのトラブルと、その対処法を解説します。

マウスピースがどうしても外れない

治療開始直後や新しいマウスピースに交換した直後は、マウスピースが固く感じられ、外しにくいことがあります。

【対処法】

  • 深呼吸をして落ち着く
  • 鏡を見ながら、奥歯の内側に確実に爪を引っかける
  • 少しずつ力を加えて、マウスピースを浮かせる
  • アライナーリムーバーを使用する
  • それでも外れない場合は、クリニックに連絡する

外す時に痛みがある

マウスピースを外す際に痛みを感じる場合、原因によって対処法が異なります。

【痛みの種類と対応】

  • 軽い圧迫感・違和感:歯が動き始めている正常な反応。数日で慣れることが多い
  • 鋭い痛み:外し方を見直す。痛みが続く場合は歯科医師に相談
  • 出血を伴う:すぐに歯科医師に連絡

正しい手順でゆっくりと外し、痛みが強い場合はマウスピースを前後に少し揺らしながら外すと楽になります。

マウスピースが変形してしまった

間違った外し方を繰り返すと、マウスピースが変形してしまうことがあります。

【変形の確認方法】

装着時に2mm以上浮いている、特定の部分が入りにくい、装着感が明らかに違う

【対処法】

  • すぐに使用を中止し、担当医に連絡する
  • 前の段階のマウスピースを装着する(担当医の指示に従う)

変形したマウスピースを使い続けると、歯が意図しない方向に動く可能性があります。「もったいない」と思わず、すぐに使用を中止してください。

アタッチメントが取れてしまった

間違った外し方をすると、アタッチメントが脱離してしまうことがあります。

【対処法】

  • クリニックに連絡する
  • 取れたアタッチメントの数と位置を伝える
  • マウスピースの装着は継続する(担当医の指示に従う)

アタッチメントの再装着は15〜30分程度の簡単な処置です。取れたアタッチメントを持参する必要はありません。1〜2個の脱離であれば治療への影響は比較的小さいですが、できるだけ早く再装着してもらいましょう。

マウスピースの正しいお手入れ

マウスピースの正しいお手入れ

マウスピースを外した後は、適切なお手入れが必要です。お手入れを怠ると、細菌が繁殖して虫歯や歯周病のリスクが高まり、においの原因にもなります。

ここでは、基本的な3ステップのお手入れ方法を解説します。

ステップ1:流水で洗う

マウスピースを外したら、まず流水でよくすすぎます。水またはぬるま湯(30〜35度程度)で、唾液や汚れを洗い流しましょう。40度以上のお湯は変形の原因となるため使用しないでください。

ステップ2:柔らかい歯ブラシで磨く

毛先が柔らかい歯ブラシで、マウスピースの表面と内側を優しく磨きます。歯磨き粉は使用しないでください。研磨剤が含まれている歯磨き粉を使うと、マウスピースに傷がつき、においの原因となります。

ステップ3:専用洗浄剤を使う

週に2〜3回、マウスピース専用の洗浄剤を使用すると、より清潔に保てます。水洗いだけでは落ちない汚れやにおいを除去でき、除菌効果も期待できます。

内部リンク:インビザライン 手入れ

マウスピースの保管方法

マウスピースの保管方法

マウスピースを外した後の保管方法も重要です。以下の5つのポイントを守りましょう。

  • 水気をしっかり拭き取る:濡れたまま保管すると細菌が繁殖する
  • 専用ケースに入れる:紛失や破損を防ぐため、必ずケースに保管
  • ケースも定期的に洗う:週に1〜2回は洗浄する
  • 直射日光や高温を避ける:車のダッシュボードや窓際には置かない
  • 定期的に風通しを良くする:ケースの蓋を開けて湿気を逃がす

インビザラインの正しい装着方法

インビザラインの正しい装着方法

マウスピースの外し方をマスターしたら、正しい装着方法も確認しておきましょう。外し方と同様に、装着方法を間違えるとマウスピースの変形や破損につながります。

装着は外すよりも簡単ですが、正しい手順を守ることで、マウスピースを長持ちさせ、治療効果を最大限に引き出すことができます。

ステップ1:上下を確認する

マウスピースを装着する前に、必ず上下を確認しましょう。

【見分け方】

  • 前歯の部分が大きい方が上顎用
  • 前歯の部分が小さい方が下顎用

上下を間違えると、マウスピースが破損したり変形したりする原因となります。慣れるまでは、必ず確認してから装着してください。

マウスピースのケースには「U(Upper:上)」「L(Lower:下)」と記載されていることが多いので、参考にしましょう。

ステップ2:前歯から装着する

マウスピースは、外す時とは逆に、前歯から装着します。

【手順】

  1. マウスピースを両手で持つ
  2. 前歯部分から歯に合わせる
  3. 前歯がはまったら、左右の奥歯に向かって順に指で押さえていく
  4. 全体が歯列に沿っていることを確認する

【注意点】

  • 歯で噛んで装着しない(マウスピースが割れる原因)
  • 頬の内側を巻き込まないよう注意する
  • 一気に押し込まず、順番に装着していく

装着時に違和感や圧迫感があるのは正常です。マウスピースが歯にしっかりフィットしている証拠であり、心配はいりません。

ステップ3:アライナーチューイーで密着させる

マウスピースを装着したら、アライナーチューイーを使って歯にしっかり密着させます。

アライナーチューイーとは、シリコンゴムでできたロール状の道具で、マウスピースを歯に密着させるために使用します。

【使い方】

  1. アライナーチューイーを口に入れる
  2. 前歯部分から順に、20〜30秒ずつ噛む
  3. 左右の奥歯も同様に噛む
  4. マウスピース全体が歯に密着したことを確認する

【ポイント】

  • 各部位で20〜30秒程度噛めば十分です
  • 噛みすぎるとマウスピースがはまりすぎて、外しにくくなります
  • 前歯部分は浮きやすいため、特にしっかり密着させましょう

装着後は、指で軽く触ってマウスピースが浮いていないか確認しましょう。浮いている部分があれば、その部分を再度アライナーチューイーで噛んで密着させてください。

まとめ

まとめ

インビザライン治療を成功させるためには、マウスピースの正しい外し方を身につけることが非常に重要です。この記事で解説した内容を改めて確認しましょう。

【正しい外し方の基本】

  • 必ず「片側の奥歯→反対側の奥歯→前歯」の順番で外す
  • 内側(舌側)から爪を引っかけて外す
  • 焦らず、ゆっくり段階的に外す
  • アタッチメント部分は特に慎重に扱う

治療開始直後は慣れないため時間がかかるかもしれませんが、数日も経てば自然と正しい方法が身につきます。この記事をブックマークして、困った時にいつでも確認できるようにしておきましょう。

当院では、インビザライン治療開始時に装着・脱着の丁寧な指導を行っており、治療中も患者様からのご質問やご相談にきめ細かく対応しています。マウスピースの外し方でお困りの際は、遠慮なくご連絡ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞

インビザラインとマウスピース矯正の違いは?【選び方も解説】

インビザラインとマウスピース矯正の違いは?【選び方も解説】

透明なマウスピースを使った歯列矯正を検討する際、「インビザラインとマウスピース矯正って何が違うの?」「自分にはどちらが合っているの?」と疑問に思われる方は多いのではないでしょうか。

同じマウスピースを使った矯正方法でも、治療の流れや費用、対応できる症例には大きな差があります。

この記事では、インビザラインとその他のマウスピース矯正の具体的な違いを5つのポイントで解説し、あなたに合った矯正方法の選び方をお伝えします。

インビザラインとマウスピース矯正とは

インビザラインとマウスピース矯正とは

インビザラインはマウスピース矯正の一種です。マウスピース矯正とは透明なマウスピース型の装置を使って歯を動かす矯正方法の総称で、インビザラインはその中でも世界的なシェアを持つブランドです。

透明で目立ちにくく、取り外しができるという点はどのマウスピース矯正も共通していますが、治療システムや適応範囲、費用には大きな違いがあります。

インビザラインとは?

インビザラインは1997年にアメリカで開発され、世界100カ国以上で1,500万人以上※の治療実績を持つマウスピース矯正システムです。3D口腔内スキャナーと専用ソフトウェアを使った精密な治療計画が特徴で、治療前に最終的な歯並びをシミュレーションできます。

※2023年3月時点における「インビザライン・システム」および「インビザライン Goシステム」の合計

一般的なマウスピース矯正とは?

インビザライン以外のマウスピース矯正には、キレイラインやhanaravi(ハナラビ)など、国内外のさまざまなシステムがあります。これらは比較的低価格で治療を始められる点が魅力ですが、多くは前歯を中心とした軽度な歯並びの改善に特化しており、複雑な症例には対応できないケースもあります。

また、使用するシステムやブランドは歯科医院によって異なるため、治療方法や精度にも差が生じることがあります。

インビザラインとマウスピース矯正の5つの違い

インビザラインとマウスピース矯正の5つの違い

インビザラインとその他のマウスピース矯正には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

治療を選ぶ際に重要となる5つのポイントは以下の通りです。

  • 治療計画の立て方の違い
  • 歯型取りの回数の違い
  • 対応できる症例範囲の違い
  • 通院頻度の違い
  • 費用相場の違い

それぞれ詳しく解説していきます。

1.治療計画の立て方の違い

インビザラインは、3D画像化したデータをもとにコンピュータ上でシミュレーションを行い、最適な治療計画を立てます。専用ソフトウェアを使用することで、治療のゴールまでの過程を視覚的に確認でき、治療前に最終的な歯並びを予測できます。これにより、患者様と歯科医師が同じイメージを共有しながら治療を進められます。

一方、一般的なマウスピース矯正の多くは、歯型模型を使って治療計画を立てます。コンピュータシミュレーションを採用しているシステムもありますが、インビザラインほどの精度や予測性は期待できないことが多いです。そのため、治療の進行に合わせて計画を修正する必要が生じる場合もあります。

2.歯型取りの回数の違い

インビザラインの大きな特徴は、歯型取りが原則1回のみという点です。

iTeroという3D口腔内スキャナーを使用することで、治療開始時に一度歯型をデジタルデータとして記録し、そのデータをもとに治療完了までに必要なすべてのマウスピースを作製します。従来のシリコン印象材を使った型取りによる不快感がなく、患者様の負担を大幅に軽減できます。

対照的に、一般的なマウスピース矯正では、治療の進行に合わせて2週間〜1ヶ月に1回の頻度で歯型取りが必要になることが多いです。

歯が動くたびに新しい歯型を採取し、次のステージのマウスピースを作製するため、定期的にシリコン印象材を使った型取りを行わなければなりません。これは患者様にとって大きな負担となる場合があります。

3.対応できる症例範囲の違い

インビザラインは、軽度から中等度の歯列不正だけでなく、抜歯を伴う全体矯正や複雑な症例にも対応可能です。

アタッチメント(歯に取り付ける小さな突起)や顎間(がっかん)ゴムなどの補助装置を併用することで、マウスピース矯正単独では難しいとされる歯の動きもカバーできます。出っ歯、受け口、叢生(そうせい:歯のガタガタ)など、幅広い症例に対応しています。

一方、一般的なマウスピース矯正は、前歯を中心とした軽度な歯並びの改善に特化しているケースが多いです。できる限り抜歯をせず、部分的な矯正を行うシステムが主流のため、奥歯を含めた全体矯正や大きな歯の移動が必要な症例には対応できない場合があります。

適応症例が限定的な分、治療費を抑えられるメリットがあります。

4.通院頻度の違い

インビザラインの通院頻度は、2〜3ヶ月に1回程度が一般的です。

歯型取りが初回の1回のみで済み、治療計画に基づいてマウスピースを自宅で交換していくため、通院回数を少なく抑えられます。忙しい方や遠方から通院される方にとって、この通院頻度の少なさは大きなメリットとなります。

一方、一般的なマウスピース矯正では、2週間〜1ヶ月に1回程度の通院が必要になることが多いです。

治療の進行に合わせて毎回歯型を取り、次のマウスピースを作製する必要があるため、定期的な来院が求められます。また、治療期間の予測も難しく、計画通りに進まない場合は通院回数がさらに増える可能性もあります。

5.費用相場の違い

インビザラインの費用相場は、部分矯正で50〜70万円、全体矯正で90〜120万円程度です。

これに加えて、調整料として5,000円〜1万円程度が別途かかる場合もあります。一見すると高額に感じるかもしれませんが、最初の段階で必要なマウスピースの数に関わらず費用が一定という点で、予算の見通しが立てやすいメリットがあります。

一般的なマウスピース矯正は、部分矯正で10〜20万円、全体矯正で40万円程度からと、比較的低価格で治療を始められます。

ただし、マウスピース1枚あたりに料金を設定しているシステムもあり、その場合は使用枚数が増えるたびに料金が加算されていきます。最終的な総額を事前に把握しづらい点に注意が必要です。

また、治療が計画通りに進まず追加費用が発生するケースもあります。

インビザラインとマウスピース矯正のデメリット比較

インビザラインとマウスピース矯正のデメリット比較

どちらの矯正方法にもデメリットは存在します。ここでは、それぞれのデメリットを正直にお伝えします。

インビザラインのデメリット

インビザラインには以下のようなデメリットがあります。

  • 治療費が高額(全体矯正で90〜120万円程度)
  • 食事や歯磨きの際の取り外しと管理が必要
  • 取り扱っている歯科医院が限られる

治療費が高額になりやすいという点は、予算に制約がある方にとって大きな負担となります。ただし、一度に全てのマウスピースを作製するため、追加費用が発生しにくく、総額の見通しが立てやすいというメリットもあります。

また、インビザラインを取り扱っている歯科医院は限られています。専用のトレーニングが必要なため、すべての歯科医院で受けられるわけではありません。

その他のマウスピース矯正のデメリット

  • 2週間〜1ヶ月に1回の頻繁な通院が必要
  • 毎回シリコン印象材による不快な型取りが必要
  • 適応症例が限定的(前歯中心の軽度な矯正のみ)
  • 後戻りしやすい傾向がある
  • 歯科医師の技術や経験に治療結果が左右されやすい

最も大きな課題は、定期的な型取りのために2週間〜1ヶ月に1回の通院が必要で、その都度シリコン印象材による不快な型取りを行わなければならない点です。

さらに、適応症例が限定的であることも重要なポイントです。前歯を中心とした軽度な矯正には適していますが、抜歯を伴う治療や奥歯を含めた全体矯正、複雑な歯の動きが必要な症例には対応できないケースが多くあります。

【ケース別】あなたに合った矯正方法の選び方

【ケース別】あなたに合った矯正方法の選び方

ここでは、具体的にどのような方にどちらの矯正方法が適しているのかを解説します。ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。

インビザラインが向いている方

  • 理想の歯並びを妥協せず実現したい
  • 通院回数を減らしたい(2〜3ヶ月に1回)
  • 型取りの不快感を避けたい
  • 複雑な歯並びや抜歯を伴う矯正が必要
  • 人前に出る機会が多く、目立たない矯正をしたい

3Dシミュレーションで治療のゴールを事前に確認でき、細かい要望を反映できるため、理想の歯並びを実現したい方に適しています。また、型取りは初回の1回のみで、通院も2〜3ヶ月に1回程度と少ないため、忙しい方にもおすすめです。

その他のマウスピース矯正が向いている方

  • 軽度な前歯の歯並びだけを改善したい
  • できるだけ費用を抑えたい(10〜40万円程度)
  • 短期間で前歯の見た目を改善したい
  • 完璧な歯並びでなくても、ある程度改善できれば満足

部分矯正であれば10〜20万円程度から治療を始められるため、費用を抑えたい方や軽度な歯並びの改善を希望する方に適しています。

ワイヤー矯正も検討すべきケース

  • 重度の歯列不正や骨格的な問題がある
  • 自己管理に不安があり、確実に歯を動かしたい
  • 治療期間を可能な限り短縮したい

極端な出っ歯や受け口、開咬(かいこう:奥歯で噛んだ時に前歯が噛み合わず、上下の歯の間に隙間ができてしまう状態)など、骨格的な要因が大きい症例では、ワイヤー矯正の方が確実に治療できる場合があります。

また、装着時間の自己管理に不安がある方は、歯に固定されたワイヤー矯正の方が適しています。

当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な矯正方法をご提案しています。まずはカウンセリングでご相談ください。

インビザラインとマウスピース矯正に関するよくある質問

インビザラインとマウスピース矯正に関するよくある質問

ここでは、患者様からよくいただく質問にお答えします。

Q1.治療期間はどのくらい違いますか?

どちらも6ヶ月〜2年程度ですが、インビザラインの方が治療期間の予測精度が高いという特徴があります。

一般的なマウスピース矯正は、治療の進行に合わせて計画を修正するため、当初の予定よりも期間が延びる可能性があります。

Q2.途中から矯正方法を変更できますか?

可能です。

マウスピース矯正で思うような効果が得られない場合、ワイヤー矯正への変更や、インビザラインへの切り替えを検討できます。

ただし、追加費用が発生する可能性があるため、治療開始前に歯科医師とよく相談することが大切です。

Q3.装着時間はどちらも同じですか?

どちらも1日20〜22時間以上の装着が必要です。

食事と歯磨きの時以外は装着し続けることが、治療を成功させるための重要なポイントです。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず治療期間が延びる原因となります。

Q4.痛みに差はありますか?

どちらも比較的痛みが少ない矯正方法ですが、インビザラインの方が痛みを感じにくいという報告が多くあります。

少しずつ歯を動かす設計になっているため、ワイヤー矯正と比較すると違和感や痛みが軽減されます。

ただし、新しいマウスピースに交換した直後は、多少の締め付け感を感じることがあります。

Q5.後戻りのリスクに違いはありますか?

後戻りのリスクは、矯正方法よりも保定期間をきちんと守るかどうかに大きく左右されます。

ただし、一般的なマウスピース矯正は前歯中心の部分矯正が多く、奥歯の噛み合わせまで整えていないため、インビザラインで全体矯正を行った場合と比較すると後戻りしやすい傾向があります。

まとめ

まとめ

インビザラインはマウスピース矯正の一種ですが、治療システムや適応範囲には大きな違いがあります。

インビザラインの特徴

  • 3Dシミュレーションによる精密な治療計画
  • 型取りは1回のみ
  • 幅広い症例に対応可能
  • 通院は2〜3ヶ月に1回
  • 費用は90〜120万円程度

一般的なマウスピース矯正の特徴

  • 比較的低価格(10〜40万円程度)
  • 軽度な前歯中心の矯正に特化
  • 定期的な型取りが必要
  • 通院は2週間〜1ヶ月に1回

どちらを選ぶべきかは、あなたの歯並びの状態、治療のゴール、予算によって異なります。山之内矯正歯科クリニックでは、患者様一人ひとりに最適な矯正方法をご提案しています。まずはカウンセリングでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

山之内矯正歯科クリニック 院長山之内 哲治
山之内 哲治

矯正歯科臨床38年以上の経験を持ち、外科矯正と呼吸機能改善を専門としています。口腔外科・形成外科・呼吸器内科など多領域の先生方と連携し、咬み合わせの問題を骨格から見直す必要があるのか、歯列矯正で対応できるのかを慎重に見極めた治療を行っています。

経歴

  • 1984年:岡山大学歯学部附属病院 研究生・医員
  • 1986年:光輝病院勤務、岡山大学歯学部附属病院 助手
  • 1987年:米国ロヨラ大学 Dr.Aobaのもとへ留学
  • 1998年:岡山大学歯学部 退職
  • 2000年:山之内矯正歯科クリニック 開院
  • 2004年:日本矯正歯科学会 優秀発表賞受賞
  • 2011年:日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞受賞